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「絵を描くのが好きだし、作品を見てもらうのも快感なんだ。そして、それを見た誰かが、何かを感じてくれたのなら、もう最高だね」と笑顔を見せるイラストレーターAaron
Baggio。イラストだけでなく、コンピューターを駆使したデジタルアートも手がける。真っ白な紙と黒の先細インクペンから、バンクーバーの自然と人、そして彼のユニークな感性が混じり合った、まるでおとぎ話の1ページのような世界が繰り広げられる。
「とりあえず」でオーストラリア進学
ある晴れた日の正午前、真っ白な空間が印象的なカフェで、Aaronの姿を見つけた。大きな口と目元をほころばせ、人懐っこい笑顔を浮かべる彼の、差し出された頼もしい肉厚の手。ここから繊細で幻想的、かつユーモア溢れる作品の数々が生み出されていくのだ。
グラフィックデザイナーの父と、イラストレーターの母を持つAaron。子供の頃から生活にはいつもアートがあり、よく絵を描いていたと言う。多感な10代を国際都市バンクーバーで過ごし、高校を卒業後、両親の故郷であるオーストラリアの大学に進学、建築学を専攻した。「両親の勧めで、とりあえず進学はしたけど、特に建築を学びたかったわけじゃないんだ。これなら興味が持てるかな、と思っただけで。若い頃は、そういう決定ってよくあるだろ?」。
未来につながるきっかけは、
些細なことから
在学中、建築図面をデザインする際によく使ったのは、先の鋭く尖ったインク式のペン。その筆感と細いペン先が生み出す繊細なラインは、Aaronに「描くこと」の楽しさを改めて実感させ、のめり込ませた。「結局建築家にはならなかったけど、図面書き用のこのペンが、僕の今のルーツなんだ」と笑うAaron。こうして現在のスタイルと、イラストレーターになりたい、という将来像が徐々に確立していった。
大学を卒業後、バンクーバーに戻った彼が見つけたのは、ウィスラーにある出版社でのアーティストの求人情報。「とにかくお金がなかったから、ヒッチハイクしてウィスラーまで行った。そして面接では今まで描き貯めてきた作品集を見せたんだ」。こうして首尾よく仕事を手に入れ、約3年間をウィスラーで過ごした。Aaronの『Landscape』シリーズには、ウィスラーの自然をモチーフにしたものが多い。その後もイラストレーター、アートディレクターとして経験を着々と積み、個展は2度開催。現在はバンクーバーにある出版社でのアートディレクター、またフリーランスイラストレーターとしても活動を続けている。
今後のAaronの夢であり、目標は「一生この仕事を続けていくこと、かな。作品を仕上げるのに時間がかかることが多いから、途中で諦めそうになったことも何度もあるし、『しんどいな』と思うことだってしょっちゅうだよ。それでもこの仕事は、僕にとってLife
Going Projectなんだ」。そう言って照れたように笑う。
Aaronは、これからも白紙上に独自の世界を繰り広げ、そこに作り出される物語に人々を引き込んでゆくのだろう。
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