私たち大人は普段、物事を左脳で記憶しています。
左脳記憶はテスト前の一夜漬けと同じで、一度に大量には覚えられず、しかも忘れやすいという特徴があります。それに対し右脳記憶は、一度見たり聞いたりしたものを、瞬時に大量に覚えることができ、いつまでも忘れることはありません。
今回お話する耳からの記憶は、右脳記憶に当たります。特に子供は右脳が発達しているので、耳からの情報収集能力に優れていますから、良質な音の刺激をたくさん与えてあげてください。
耳からの記憶力を育てるには、幼児であれば、本の読み聞かせや童謡のCD のかけ流しが効果的で、これらは子供の中に国語的能力、音感、イメージ力を育て、お話や歌の中にある教えや文化を学ぶことにつながります。本は、イソップ物語や偉人の話などがお勧めです。小学生以降は、例えば学校で何かを記憶しなければいけない時、教科書を目で見るだけでなく、声に出して音読するだけで、耳からの記憶も使うことになり、より簡単に覚えられ長期の記憶となります。
ただし、耳からの記憶は良いことばかりではありません。マイナスの言葉ばかりをかけられてきた子供たちは、それを長期記憶として、忘れられないトラウマとして、一生覚えていくことになります。幼児期に活発に働いている右脳は無意識の脳で、本能に繋がっています。 右脳に入った『マイナス言葉』の記憶は、自分に自信が持てなかったり、対人恐怖症になったりと、マイナス思考へとつながり、無意識にその子の一生を左右することにもなりかねないのです。とをした場合は、その行為を叱り、その子の人格を否定するような言葉を使わないよう、保護者も気を付けなければなりません。