『入れ歯今昔物語』〜その1

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『入れ歯今昔物語』〜その1

今も昔も歯を失った大変さに変わりはありません。
それでは現代のような技術のなかった昔、人々はどのように対処していたのでしょう?

実は“抜けた歯を人工物で補う(義歯やブリッジなど)”という考えはかなり昔からあったようで、現存する世界最古の義歯は1914年エジプトのギザの遺跡から出土した推定紀元前2500年のものとされています。
また、ローマ時代ヒポクラテスも抜けた歯を針金や金属板を使って残っている歯に固定する技術について記述しています。

近代ではアメリカ初代大統領ワシントンが1789年の就任時、すでに入れ歯をしていたのは有名な話です。だだしこの入れ歯かなりのくせ者で、本人の抜けた歯とカバの歯を固定した金属製の義歯を上下スプリングでつなげたもので唇の力を抜くと勝手に外へ飛び出してしまい、食事には使えなかったそうです。大統領はその後、就任期中に何度も入れ歯の作り直しを命じたとか…

 幸いにも現在は医療技術の進歩により私たちは色々な治療法を選択できるようになりました。例をあげてみましょう。

少数歯欠損〜一部の歯を失った場合

ブリッジ
喪失歯の両脇の歯を土台として削り、型取りをして人工的な歯を作り接着剤で固定します。セラミックを使って白くすることもでき、噛む力もかなり回復します。短所としては土台になる歯が健康でも削らなければなりません。
部分入れ歯
残った歯に金属の金具を掛けるように作る部分的な取り外せる入れ歯です。自分の歯を削らなくて済みますが、ブリッジに比べ咬む力が落ち,若干喋りづらく金具を掛ける歯のお手入れがうまくいかないとその部分が虫歯や歯周病になりやすいです。
インプラント
喪失部分にチタン製の歯根を手術で埋め込みます。

咬む力は自分の歯と変わりませんが、インプラントが顎の骨と結合するまで何ヶ月か待たなければならないので歯が入るまで時間がかかります。

 今月はここで紙面が尽きてしまったので来月に続きます。

(文 澤井靖典)


武内 貴代子

歯科医師
27 年以上の歯科治療経験あり。一般歯科では、虫歯治療を始め、根管治療、抜歯、さらにはインプラント手術、歯肉手術、審美歯科、シワ取り注射を行っています。日本語と英語を話すことができるので、どちらでも治療が受けられます。

TEL: 604-266-4353

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