さて、前回までの連載で新TOEICがどのように変わったかお話ししましたが、今回は文法の知識がなぜ必要かをご説明します。
まずは意識改革!
文法は何にも役に立たない! 単語と問題集をひたすらやれば点数は上がる! こう思ってはいませんか? 残念ながらそこまで簡単ならこれほど楽なことはないですね。日本で何回もTOEIC を受験したけど、同じような点数を行ったり来たりしただけで一定の点数は超えなかったという人が圧倒的に多いですね。押してもダメなら引いてみな! 文法を一から勉強するのはやっぱり苦痛ですが、それがTOEIC 高得点を短期で取得できる近道なのです。
文法の知識は読解に生きる!
さて、実際に読解力に生きる文法を紹介します。
– 同格のthat-
名前を見て怖がらないでください。同格のthat とはその後ろに来る文章が前の名詞の詳しい内容を説明するために使われます。以下の文章を読んでみてください。
The manager heard the news that his project team had won the competition.
(責任者は彼のプロジェクトチームがコンペに勝ったという知らせを受け た)
that 以降の文章がnews(知らせ)と いう名詞の具体的な内容を示していますよね。ここで知っておいて欲しい知識が2つあります。
1. 同格のthat の前に来る名詞
次の会話を読んでみましょう。
Aki : Oh hello there.
So I just got the news.
John : ….
Aki : … ?
John : What news?
会話が噛み合っていませんよね?
この会話の前に何かしら事前の情報があるならともかく、「知らせが来たよ!」と言われて帰ってきた言葉が「あ、そうですか〜」だとしたら、その人はあなたに興味がない証拠です。
普通なら「何の知らせ?」と聞き返しますよね? そういう状況を避けるためにこの同格のthat は存在するのです! 同格のthat を使った会話はよりto the point(的を得た)です。
Aki : Oh hello there.
So I just got the news that I got the job.
John : Congratulations!
つまり、前に来る名詞はもっと内容が知りたくなるような名詞なのです。
thought, decision, feeling, hope,agreement, confidence, fact などなど。
2. 同格のthat は接続詞
that の後ろに文章が来るということは、that は接続詞だということです。接続詞は後ろに完璧な文章が来ます。完璧な文章が終わるところが接続詞の終わるところです。文章が終わるところには必ず「 , 」か「 . 」があります。なので、that のカタマリは「 , 」「 . 」があるところで終わっています。
どんなに長い文章が来ても同格のthatが始まったら、終わりは「 , 」「 . 」があるところ、と覚えておきましょう。
まとめ
このthat を使う文章は長くなる傾向があるので、この2つの知識を使って読解攻略をしましょう。文章を読んでいて、もっと内容が知りたくなる名詞が来る時は後ろにthat がないか注意しましょう。that は隠れている可能性もあります。後ろに文章があったら、それはthat が始まっている証拠です。それに気づいたら「,」「.」を見つけるまでは内容がつながっている1つの文だということです。これを意識して読むのと読まないとでは理解度に雲泥の差があります。
校長: Aki Yoshida
Simon Fraser University 卒業。SFU で講師として日本語を教え、オンライン教材の開発にも携わる。TOEIC 990点。
Able English Studies