特別支援学級での勤務が終われば、講師としての配属がどこになるかはわからない。新学期に仕事があるかどうか不安に思いながらも、もし講師としての仕事があるなら英語を教えたいなと思っていた。特別支援学級で学んだことは計り知れないし、生徒にも恵まれ、充実した毎日を過ごしていた。ただ、英語科としてカナダで学んだことをできるだけ早く活かしたいと思った。
教員の配属先は新学期直前になるまで決定しない。悩んでも仕方のないことは考えても始まらない。それまでに英語力を示す証としてTOEIC を取得することにした。仕事にも少しずつ慣れて余裕も出てきた頃だったので、仕事の合間を見つけて勉強した。目標はTOEIC900 点以上。これは福岡県教員採用試験の英語試験免除の条件だった。
過去問を解き、自分の弱点が読解であることを認識した。もう一度語彙学習をやり直し、Part5 の短文穴埋め問題で点が稼げるように繰り返し練習問題に取り組んだ。リスニング力が落ちないようにYoutube やNetflix を使って5 分でも英語の動画を見る( 聞く) ようにした( これは息抜きの時間でもあった)。試験直前には模擬テストで900 点を超えられるようになり、本番で目標を達成することができた。
考え出せば不安なこともあったが、やれることはやった、という気持ちだった。この辺の根性はカナダでの経験の中で培ったように思う。
そして、新学期からも同じ学校で、英語科を担当する辞令を受けた。いよいよ、という感じがした。
いよいよ、私の英語教師への道が少しずつ拓けてきたように思えた。