7月・文月(ふづき)
「文月や六日も常の夜には似ず」とは、芭蕉が越後路を歩いた時、七夕前夜、 いつもと違い心が弾むような感慨にふけった夏の夜を詠った俳句ですが、そんな夜長を楽しむ季節になりましたね。7月は、文月。別称、穂含月、含月など色々と呼び名はあるようですが、稲穂が含む月などから転じて文月になったと言われています。
「土用の丑の日」
『土用の丑の日』というと、厳しい夏バテに備えて『鰻』を連想されると思いますが、「土用の入り」とは何かご存知ですか? 『土用の日』は、雑節からくる季節の節目を指す言葉で、一般に立秋(8月7日)前の18日間(7月20日~8月6日)を指し、「土用の入り」とはつまり、この18日間の初日、7月20日を意味します。
この時期は1年で最も厳しい暑さの始まる季節で、夏バテ対策にビタミンやミネラルなど栄養価が豊富な鰻を食べる習慣が始まったわけですが、『土用の丑の日』に鰻を食べる習慣が始まった本当の理由は、江戸時代の学者・平賀源内が「土用の丑の日は鰻を食べよう!」と宣伝するよう鰻屋へアドバイスをしたのがその始まりだそうです。
「鰻」と「日本酒」
鰻は今や大変高価で、最近では手の届かない食材になってきましたが、この時期、年に一度ぐらいは楽しみたいものです。そこで、この夏にいただく鰻に相性の良い日本酒を少しご紹介していきましょう。
脂と身の汁が混じった香ばしく、深みのあるタレで味わう鰻の蒲焼きには、お米本来の旨味やコクが立っている純米酒や、酸度のある生酛造り系の日本酒が合います。純米酒は少し温めて燗酒でいただくのも良いでしょう。
香りの良い山椒を添えていただく少し苦味のある鰻の肝焼きは、冷やした吟醸酒との相性が最高です。最近人気の発泡酒系も鰻と相性が良いと思います。
これからの厳しい夏を楽しむためにも、元気で美味しいモノをしっかりと食べて、日本酒を美味しく飲みましょう!
それでは皆さんの元気に一献献上!