知覚動詞については以前の記事でも紹介しましたが、人間の五感に関する動詞です。
具体的には以下のような動詞があります。
聴覚(聞く): hear, listen to
感覚(感じる):feel
その他:notice, perceive
*「smell」や「taste」も知覚に関わる動詞ですが、使い方が異なるので、ここではあえて記載していません。
知覚動詞の使い方
以前の記事で、知覚動詞はSVOCの第5文型で構成 されており、
Cの部分は「過去分詞」「動詞の原形」「現在分詞」のどれかになると、説明しました。
「過去分詞」の場合は、
I noticed my wallet stolen by Kenny.
( 私はケニーに財布を盗まれるのに気付いた。)
このように、目的語(my wallet)と過去分詞(stolen)が受け身の関係になります。
そのため、比較的簡単に理解できると思います。
では、知覚動詞のあとの「動詞の原形(原形不定詞)」と「現在分詞(ing形)」を
ネイティブはどのように使い分けているのでしょうか?
知覚動詞+目的語+動詞の原形?現在分詞(ing形)?
まずはそれぞれの例文を見てみましょう。
I saw Aki steal Kenny’s wallet.
(私はアキがケニーの財布を盗むのを見た。)
Did you hear somebody scream?
(誰かが叫んだの聞いた?)
I saw Aki going through Kenny’s bag.
(私はアキがケニーのバッグを物色しているのを見た。)
Did you hear somebody screaming?
(誰かが叫んでいたのを聞いた?)
どのように使い分けているか、わかりましたか?
「動詞の原形」を使う時は、その動作すべてを見ているときです。
I saw Aki steal Kenny’s wallet.
(私はアキがケニーの財布を盗むのを見た。)
この例文では、私はアキがケニーの財布を盗む一連の流れを
全て見ていることになります。
一方、「現在分詞(ing形)」を使う時は、その動作の一部しか見ていません。
I saw Aki going through Kenny’s bag.
(私はアキがケニーのバッグを物色しているのを見た。)
つまり、この例文では私はアキがケニーのカバンを物色している間の
一部を見た ということになります。
Did you hear somebody screaming?
(誰かが叫んでいたのを聞いた?)
この例文でも、現在分詞(ing形)を使っているので、
誰かが叫び続けているということが分かりますね。
おわりに
知覚動詞+目的語のあとは「動詞の原形」を使うのか、
それとも「現在分詞(ing形)」を使うのかについて説明させていただきました。
このようなニュアンスの違いは難しいですが、
知っているのと知らないのでは聞こえ方が違うと思います。
ぜひ、細かい違いにも注意して勉強してみてくださいね。(3/17)
校長: Aki Yoshida
Simon Fraser University 卒業。SFU で講師として日本語を教え、オンライン教材の開発にも携わる。TOEIC 990点。
Able English Studies