カナダでキャリアを築くには色々な方法があります。日本で培った経験を活かしてさらなるキャリアアップを試みる人もいるでしょうし、日本でのキャリアとは全く異なる方向、いわゆるキャリアチェンジをカナダで試みる人もいます。今回のシリーズではキャリアチェンジを含めカナダで日本人の方々がキャリアを築く上で何が重要なのかを様々な方の例を交えてご紹介していきたいと思います。
ツアーオペレーターから5つ星ホテルフロントデスクマネージャーへの転身
Y さんは日本の短大卒業後の5月に半年間の語学留学のためバンクーバーへやってきました。
半年間語学学校に通った後は、ご両親の勧めもあり、いったんは日本に帰国し、周りの友人同様に日本での就職を試みたそう。しかし、カナダで働きたいという夢をどうしても諦めることができずに、内定を断り、再びバンクーバーに舞い戻ってきました。
就職経験もなく、英語力もそれほど高くない。カナダでキャリアを築くには、まずここで通用するスキルを身に付けることが必要。そんな思いからトラベルスクールへ1年間通い、卒業後はカナダのツアー会社に就職することができました。
日本人観光客相手のツアーオペレーターの仕事でしたが、ホテルの予約なども担当していたので、ベンダーとのやり取りはすべて英語。4 年間のツアー会社勤務でビジネス英語力をメキメキと高めるなか、ホテル客室の在庫管理やホテルでの食事のアレンジをしているうちに、今度は逆にホテルで働いてみたいと気持ちが彼女の心の中に芽生えてきたそうです。
ツアー会社からホテルへの転職活動で、まずY さんが行ったことが、バンクーバーのホテルすべてに履歴書を歩きながら手渡しで配ること。そんな足をフルに使っての転職活動を始めて数週間後に、現在お勤めの5 つ星ホテルから面接のオファーが来ました。計4回の厳しい面接を経て、めでたくフロントデスクのポジションをゲット。フロントデスクを1 年勤めた後に、ツアーコーディネーターという、主に団体客のチェックインからチェックアウトまでを担当するポジションに昇格、そして次は、ルームコントロールというホテル全体の部屋の在庫管理から、到着されるお客様のための用意を担当するポジションに昇格しました。やがて、ホテル就職から5 年の月日を経た頃には、フロントデスクマネージャーに昇格。40 人のスタッフの上に立ち、見事にマネジメントをこなす毎日です。
労力を惜しまず頑張る人には、必ず結果がついてくる
Y さんが目指す次のポジションはジェネラルマネージャー (GM)。GMは、ホテル全体のビジネス、客室だけではなくレストラン運営までを完全に把握する知識・能力が必要なので、今よりさらにレベルアップすることが不可欠とのこと。ホテル転職後から順調にハシゴを昇ってきたように見えるY さんですが、常に今より下のポジションに降格したくないという思いで頑張ってきたそう。
彼女を見ていると、“今よりも上へ”という思いが自分磨きへつながるとシミジミ感じます。人間どこかで「楽をしたい」、「現状のままで」と思うもの。しかし、「楽なほう」「簡単なほう」を選ぶのではなく、労力を惜しまず頑張る人には必ず結果がついてきます。カナダで一からキャリアを築くにはどうしても時間と労力がかかります。今頑張っていること、努力していることが報われる日が必ず来ますので、目標に向かって負けずに頑張って下さいね!