前回、文法の知識がどのように読解に生きるかについてお話ししました。シリーズとしてこれからも文法の知識がいかに読解など総合的な英語力に生きるのかお話していこうと思います。
まずは意識改革!
今までTOEIC を何度も受験してもなかなか点数が思ったほど上がらないという悩みを抱えている人は少なくありません。苦痛かもしれませんが、単語などと並行して文法の知識をもう1回磨き上げるのが高得点を短期で取得できる近道なのです。
文法の知識は読解に生きる!②
前回お話しした同格のthat を覚えていますか?ちょっとだけrewind(巻き戻し) ~。
Aki had a feeling that he was being watched.
(アキは誰かに見られているような感じがした)
同格のthat の前には内容がもっと知りたくなる名詞が来て、後ろには完璧な文章が来ましたよね? 今回はこの同格のthat とは少し違う使い方をする接続詞のthat の働きをご紹介します。
– 接続詞のthat-
同格のthat 同様、接続詞のthatも後ろに来るものが想像できるリーディングに役に立つ大事な文法項目です。
皆さんよくご存じのsay という単語は普通の会話でもよく使う単語ですが、TOEIC はもちろん、新聞などでは特によく出てくる1つの使い方があります。
Analysts say that United Airlines stock price would further drop.
(アナリストはユナイテッド社の株価はさらに下がると言う)
タイムリーな話題ですね。新聞などではこのように誰かの発言や意見などをsayを使って伝えてきます。同格のthat 同様、say を見た瞬間に「後ろにthat が来るかも!」と意識してほしいのです。何でそんなことを意識する必要があるのでしょうか?
理由① : 接続詞のthat は省略できる
「何で省略しちゃうの?」こんな声をよく聞きますが、接続詞のthat は省略することができちゃうんです。どんな言語にも共通することは、みんなラクしたいんだって! 言っても言わなくても同じなら省略しましょう、ということなんですよね。
that がない時があるので、「後ろにthat が来るかも!」と思うことができれば読みやすくなるはずです。
理由② : すぐ後ろに来るとは限らない
すぐ後ろに来ているのならば困ることはないかもしれませんね。でも、厄介なのはthat は動詞のすぐ後ろにない時もあるのです。
The analyst said in the TV interview on Monday that United Airlines stock price would further drop.
このようにsay とthat の位置が離れている場合があります。これよりも離れている可能性もあります。この知識さえあれば、間にいくら余計なものが挟まっていたとしても大丈夫! say とthat の関係性をすぐに認識できるはずです。say の他にも同じような使い方をする単語がいくつかあります。state などがその代表です。
that は接続詞なので、後ろに完璧な文章が来ます。文章の終わるところが接続詞の終わりです。ですので、「言った」内容は必ず「,」「.」があるところまで続いています。このカタマリも意識するようにすると文章がグンと読みやすくなるはずです。
まとめ
新聞などでsay などの「言う」系の動詞が出てきたら後ろにはthat がある可能性が高いです。that があれば後ろには「言った」内容が来ます。省略されてたり、直後にない場合もあるので注意です。
校長: Aki Yoshida
Simon Fraser University 卒業。SFU で講師として日本語を教え、オンライン教材の開発にも携わる。TOEIC 990点。
Able English Studies