一献献上 Vol.26
10月 秋の味覚と日本酒

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10月・神無月(かんなづき)

10月は旧暦で「神無月」と呼ばれ、その由来は八百万の神々が年に一度出雲大社に集まり、国許から神様がいなくなることから、神がいない月として神無月と呼ばれるようになったそうです。また、新米でお酒を醸造し始める月であることから「醸成月」とも呼ばれるようです。バンクーバーでも木々が色づき、秋の深まりを感じられるようになりました。

秋の味覚と日本酒
 実りの秋、収穫の秋。日本酒ファンにとっては、日本酒を美味しくいただく絶好の季節到来です。
 皆さんは日本酒と楽しめる食材と言えば、何が思い浮かびますか? 秋の魚介類では、秋刀魚、戻り鰹、牡蠣などではないでしょうか。牡蠣は今では1年中楽しめる食材になりましたが、秋からが旬です。英語で、最後に“-ER”がつく月は牡蠣が美味しいと言われます。海のミルクとも呼ばれ、ミネラルが豊富で、旬な食材としてだけでなく、栄養バランスの優れた食材と言えます。秋の野菜では、松茸、しいたけ、茄子、栗、人参、大根や水菜など、たくさんの思い浮びます。秋茄子は嫁に食わすなというぐらい美味しいと言われ、「秋」には日本酒と合わせて食べる美味しい食材には事欠きません。

料理と日本酒
 美食家でも知られる京都の芸術家、魯山人「料理とは、どこまでも理を料ること。不自然な無理をしてはいけない」また、「料理は悟ること。拵えることではない」と言っています。その季節の旬な食材を活かした、飾らない料理で心からもてなすことこそが、和食の真髄と言えます。そして、その季節の料理を引き立てるのが、日本酒の役割と言えます。

 秋深まる季節、稲刈りを終えた農夫達は、収穫の祝いもそこそこに旅立ち、厳しい冬を酒蔵にて酒造りに専念します。精魂込めて醸したお酒は、春に産声を上げ、新酒で祝う。そして蔵人は桜前線の北上と共に、郷里の農家へと家路につくのです。お料理も酒造りも共に、季節に根差した美しい日本の文化と言えるのではないでしょうか。では実りの秋に一献献上!


AXIS PLANNING

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