4月・春はあけぼの
“春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、…” 「枕草子」の有名な冒頭、「春は、ほのぼのと夜が明け始めようとする頃が、何とも趣があって良い〜」という描写で始まります。我々は、四季折々の自然の美しさ、特に「春」という季節に惹かれ、様々な詩が詠まれ続けてきました。春は卒業や旅立ちなどと重なり、心を動かされる特別な季節なのかもしれません。
純米酒とは
春の季節にもぴったりの「純米酒」についてお話をしたいと思います。純米酒は、米・米麹・水だけで醸造された日本酒で、醸造用アルコールなどの添加物は一切使用されていません。そのことから、本物の日本酒として広く日本人に好まれてきました。一般的に米の旨みや深いコクのあるタイプが多く、食中酒として代表的な日本酒と言えます。純米酒は、精米歩合や醸造方法の違いなどによって、純米酒・特別純米酒・純米吟醸酒・純米大吟醸酒に分類され、現在では「純米酒」と呼ぶには、その精米歩合の規定(以前は70%以下)がなくなりましたが、「純米吟醸酒」は精米歩合60%以下、「純米大吟醸酒」では精米歩合50%以下という条件が加わります。また「特別純米」は特別な製法や原材料で醸造されている純米酒で、蔵独自の特徴を活かした純米酒というわけです。
純米酒を楽しむ
純米酒はお米だけで醸したお酒ですから、白米との相性が良く、特に和食との相性が抜群で、また様々な温度で楽しめるのが純米酒の大きな特徴です。冷酒なら季節の野菜や魚料理のような比較的味の軽い料理と相性が良く、室温からぬる燗で飲めば、酒本来の米の旨みも感じやすくなり、肉料理など濃く味付けされた食事とも楽しめます。また和食だけではなく、中華料理などの油分の多い料理とも楽しめます。お酒を温めるとアルコールの体内への吸収が穏やかになり、身体への負担も軽減されます。