「カーリング」は冬季オリンピックの競技種目でもあるので、テレビなどで一度は目にした人も多いと思います。4人1組でストーンと呼ばれる球を滑らせ、デッキブラシのようなものでひたすら掃いてゴールを目指す…オリンピック競技の中では最も簡単そうに見え、
「あれだったらちょっと練習すれば、私にだってオリンピックも夢じゃないんじゃないの?」
なんて幻想を抱かせる、そんなイメージのスポーツですよね?
カーリング用のリンクも比較的身近にあるので「一度はやってみたかったけど、機会がなかった」という人も多いかと思います。今回、そんな20人が集まって「カーリング初体験」となりました。
会場はRichmond Curling Club。プロの選手も練習や試合を行うカーリング専門のリンクで、初心者ばかりでも用具レンタル、インストラクターの指導込みでリンクを借りることができます。今回は女性インストラクターとは別にクラブの日本人チームの方がボランティアでサポートを申し出てくださいました。
持ち物は防寒具としてジャケットと手袋、そしてスニーカーを各自用意していくだけで特別必要なものはありません。
リンクに入る前の準備で、リンクを傷つけないように靴の裏を電動ブラシで掃除し、ゴム製のカバーを靴の上から装着します。これは靴が氷上で滑らないようにするためのもので、ストーンを投げる時は滑らせる方の足の下にスライダーというプレートを踏むことになります(カーリング用の靴はその逆で、片足に滑りやすい加工がされており、ブラシでスウィープする際は滑り止めを装着するそうです)。
さて、靴の準備ができ、ブルームを持ったら、いよいよリンクに入ります。 カーリングは4名1組、2チームによる対戦になるので、簡単なレクチャーを受けた後は、チームに分かれての練習となりました。
4人のうち1人はスキップと呼ばれる主将で、いわばチームの司令塔。どちらの向きにストーンを投げる(滑らせる)かなどの指示を出します。リード、セカンド、サードの順に2投ずつストーンを投げ、他の2人がスウィープしてストーンの方向を調整します。サードが2投した後、スキップの位置に入り、スキップが最後の2投を投げてひと回り終了となります。8投を終わった時点で「ハウス」の一番中心に近いストーンがある方に点が入る、というゲームです。試合は8エンド(攻守)か10 エンドで行われ、制限時間や細かいルールがありますが、
今回はとてもルール通りのゲームは無理で、まずは全員、投げることを中心に練習を始めます。
右投げの場合、右足を蹴り台(ハック)にセットし、左足をスライダーに乗せます。しゃがんだ姿勢からスキップが指示した方向にストーンを握り、左足を後ろに引き、スライダーを滑らせると同時に右足は甲が氷の上を滑るような体勢でストーンを投げ出す、というイメージですが、これがなかなか思うようにはできません。
ストーンを投げると同時にバランスを失って転倒する人が続出、たとえストーンをうまく滑らせても、投げる力が弱く、ホッグライン(この線を越えないストーンは失格)まで届かない…と、なかなかテレビで見ているようなハウスの上での戦いになりません。「氷上のチェス」と言われ、高度な戦略が必要な競技とされていますが、とてもとても、それどころではありません。
Richmond Curling Club
5540 Hollybridge Way, Richmond
電話604-278-1722 担当 ダグさん
http://www.richmondcurling.com/