肌の露出が増えるこの時期、私のパーソナルトレーニング指導でも夏に向けて体形改善の為のトレーニングをはじめた人が増えてきました。初めてトレーニングのお話を聞く方は不思議に思われるかもしれませんが、私は体形改善される方にはほぼ間違いなく「筋力トレーニング」をお教えしています。食事を調整することによって体重を落とすのは勿論大事ですが、筋力トレーニングによって筋肉をつけ、理想の体形をつくる為です。
筋力トレーニングで理想の体形を手に入れる?
例えば、女性が憧れる「ヒップアップ」、つまり整ったお尻づくりについて考えてみましょう。お尻の形を整えるには大臀筋(だいでんきん)と呼ばれるお尻の筋肉を鍛え、大きくする必要があります。この筋肉は6つの部位に細かく分類することができ、それら全てを鍛えることで丸く引き締まったお尻がつくられます。この筋肉は日常生活ではなかなか負荷がかからない部分で、鍛えることが困難です。したがって、この筋肉のカタチを整えるには筋力トレーニングを行うしかありません。
他の部位にもやはり同じことが言えます。つまり、筋力トレーニングは美しい体形をつくる為には必要不可欠なのです。
体形改善に必要な筋トレのコツ
むやみやたらに筋力トレーニングを行えば良いかというとそういう訳ではありません。現在の体形や個人の特徴も十分考慮する必要がありますし、最終的な理想体形を確認する必要もあります。理想体形をつくる為には、トレーニングプログラムを作成する際にちょっとしたことを考慮する必要があります。それについて2つ見ていきましょう。
自分の理想体形を作る適切な種目&フォームを用いる
どんなトレーニング種目を行い、それをどんなフォームで行うかは体形改善の為には非常に重要です。以前記事でも少し触れましたが、筋力トレーニングでは強く使った筋肉が刺激され太くなります。お尻のように少し刺激を強くして太くした方が良い部位と、腕のようにあまり太くしたくない部位とが出てくると思います。どの部位をどの程度鍛えたいのかは個人の最終目標や価値観にもよりますが、トレーニング種目の選択やフォームによっては、刺激したい部位に刺激が行かず、太くしたくない筋肉だけに刺激を与えてしまう場合が意外とあります。
- お尻をうまく使わないで脚をメインに使うスクワット → 脚だけが太くなる。
- 狭い手幅、丸まった背中で行うチェストプレス → 胸に刺激が行かず腕だけが太くなりやすい。
持ち上げる重さが軽いから”引き締まるトレーニング”ではない
もう一つ気に止めておきたいことは、「軽い重さで沢山回数をこなす筋力トレーニング=引き締めるトレーニング」ではないことです。この方法を”体形改善”の方法として行っている人を見かけますが、使う重さが軽くても回数を目一杯こなした場合、条件次第では筋肉はしっかり太くなります。例えば、軽い重さでギリギリ限界まで行った筋力トレーニングにおいて、重たい重さを持ち上げた時とあまり変わらないくらい筋肉が大きくなったという研究もあります[1]。したがって、身体のラインをつくる為に筋力トレーニングが必要であっても、「軽い重さで行っているから引き締まる」と思い込んだままこの様なやり方を続けることで、トレーニングをする部位によってはバランスの悪い体形になり得るのです。
軽い重さで限界まで筋トレしてしまう例
- 二の腕の運動。軽い重さで繰り返していると、腕が焼け付くような感覚が起きる。きっと脂肪が燃えてる合図だろうと思ってギリギリまで回数を繰り返す。 → 腕が太くなる。
- お腹、脇腹の運動。ウェストを細くしようと思ってしっかりとした重さを扱い回数を重ね、お腹の筋肉が熱くなるまで行う。 → ウェストが太くなる可能性もある。
ここでは筋肉が太くなることそのものが悪いと言っているのではなく、あくまでも自分の意に反した結果へと導かれる可能性があるということを指摘しています。ご注意下さい。
「ギリギリ限界まで」とは、例えばスクワットのように、トレーニング種目によっては吐き気を催す程のキツさですが、二の腕やお腹・脇腹に関してはこのレベルまで好き好んで行う人も意外といます。いずれにしても、筋力トレーニングは持ち上げる重さが軽くても、トレーニングを行った部位が細くなるわけでは決してなく、むしろ筋肉が太くなることもある可能性を十分考慮しておいた方がいいです。
まとめ
理想の体形をつくる為には、脂肪をそぎ落とすその一方で筋力トレーニングが必要です。しかし、トレーニング種目の特徴や適切なフォームを理解せずに行ってしまったり、「軽い重さで沢山回数をこなして脂肪燃焼・体形改善」という誤った考え方のもと行ったりすると、太くしたくない身体の部位が不本意に太くなる可能性もあります。結果として、筋力トレーニングを行ったら自分の望まない身体のラインができてしまいガッカリしたという人も少なくないと思います。
きちんとした情報を持ち、正しい種目の選択、いいフォーム、目的に合ったトレーニングプログラムで筋力トレーニングを行い、自分の理想体形を手に入れたいものです。どの様なトレーニング種目をどの程度行えばいいのか、お悩みの方は是非私にご相談下さい。
参考文献
- SCHOENFELD, Brad J., et al. Effects of low-vs. high-load resistance training on muscle strength and hypertrophy in well-trained men. The Journal of Strength & Conditioning Research, 2015, 29.10: 2954-2963. [リンク]
本橋直人
Website: http://atlasonlinefitness.com
Facebook: https://www.facebook.com/AtlasMotohashi/
Twitter: https://www.twitter.com/NaotoMotohashi/