こんにちは。パーソナルトレーナー& Shiatsu Therapist本橋直人です。
今回は、背中の筋肉を鍛えるトレーニング種目を見ていきましょう。
そもそもほとんど全ての方が、背中に筋肉があることを認識したことすらないかもしれません。この認識のなさから、なかなかトレーニングをしようという発想に至らないですし、トレーニングを行ったとしても他の部位、例えば前回ご紹介した腹筋と比較してうまく筋肉を鍛えられないことが多いです。
シェイプアップの為のエクササイズ 背中編
「背中」とひと口に言っても、その機能から大まかに2つに分けられます。
1つは腰背(いわゆる腰)、もう1つは上背部と呼ばれます。
腰背部は姿勢を維持するのや、物を持ち上げるのに使われています。足腰のところでご紹介した種目、スクワットでも、この部位は使われています。
一方、上背部の筋肉は上半身の後側の大部分を占め、男性であれば逆三角形の体型を、女性であればくびれを強調してくれます。この筋肉は懸垂やボート漕ぎのような、引っ張る動作の際に使用されます。
今回の記事では腰背については、スクワットで使われていることもあり割愛し、上背部のみに焦点を絞ってご紹介していきます。
|上背部の筋肉|
今回のテーマである上背部にはどんな筋肉がついているのかをざっくり見てみましょう。下に示した図をご覧ください。
非常に複雑ですね。もちろんここでは筋肉の名前をいちいち覚える必要はありません。つかんでもらいたいのは、たくさんの筋肉があるということとその複雑さです。
この複雑さから、先ほど「上背部は引っ張る動作の際に使用されます」と言いましたが、
引っ張り方が変わると、筋肉の使われ方も変わる
ということを覚えておいてください。このことから、上背部を全体的にバランスよく鍛えようと思うと、複数のエクササイズが必要なことが理解できると思います。
上背部のトレーニング種目はフォームが難しい
上背部のトレーニング種目で壁となって立ちはだかるのは、フォームの難しさです。一番手っ取り早いのは、経験のあるフィットネス指導者にフォームを見てもらうことですが、それが叶わない場合は根気よくトレーニング種目の練習を続ける必要があります。少しだけ上背部種目のフォームのコツを確認しておきましょう。
上背部の種目は、腕ではなく肩から動作を行う
例えばボート漕ぎのような、物を身体の前から自分の方へ向かって引きつける動作では上背部と腕の筋肉が使われています。はじめてこの動作を行っていただくと、ほとんどの方がヒジを過剰に曲げることで、腕の筋肉だけで動作を行ってしまいます。
この動きで使われているのは力こぶを作る筋肉、上腕二頭筋と呼ばれる筋肉が大半で、上背部の筋肉はうまく働いていません。これを解消するためには、肩全体を動かして引くのがコツになります。この時、肩が上にすくまないのもポイントです。
どうしてもこの説明だと感覚がつかめない方は、「胸を張ったまま、後ろにいる誰かを両腕を使ってヒジ打ちする」意識で動作を行ってみましょう。自然と肩が使えてくると思います。
懸垂のような自分の身体を引き上げる運動や、トレーニング器具などを利用して上から自分の方へ物を向かって引く運動でも上背部は使われます。この動きも腕だけではなく、肩全体を下に動かすことがコツです。これも、分かりづらい場合は下にある何かをヒジ打ちしてあげる感覚で行えるといいです。
上背部のトレーニング種目は、日常生活にはない動きのため、まずはフォームを覚えることが効率よく筋肉を鍛える第一歩となります。ぜひフォーム作りに力を注いであげてください。
やり方が限られてしまう自宅トレーニング
フィットネスクラブと違い、自宅でトレーニングする場合は利用できる器具ややり方が制限されていて、上背部の筋肉を効果的に刺激するいいトレーニング種目が少ないというのも厄介なところです。練習をされる場合は、最低限エクササイズチューブ(バンド)があると便利です。また、公園にある鉄棒を利用して懸垂や斜め懸垂をするのも一つ解決策になります。ただ、本格的に行いたい方はジムの利用も検討してみてください。
背中のエクササイズ
今回は、自宅でできるチューブを利用したトレーニング種目を2つご紹介していきます。
ローイング(チューブ使用)
準備
柱や柵などにチューブを結びます。姿勢は、胸を張り背筋を伸ばします。
足は前後に開いて身体を安定させます。
動作
手のひらを向かい合わせにし、チューブを脇腹の方へ向かって引きます。
腕がほぼ伸びきるところまで戻していきます。
回数
12〜15回2〜3セット
注意点
肩がすくまないようにします。
フェイスプル(チューブ使用)
準備
柱や柵などにチューブを胸の高さに結びます。
姿勢は、胸を張り背筋を伸ばします。
チューブの取っ手を、手のひらがお互いに向き合うように握ります。(動画では手のひらが下向きになっていますが、これでもOKです。)
足は前後に開いて身体を安定させます。
動作
チューブを耳の横まで引いていきます。
出来るだけ肘は身体の後ろに行くようにしてみましょう。
回数
12〜15回2〜3セット
注意点
肩がすくまないようにします。
各トレーニング種目は、1〜2日置き、週2〜3回行うようにしましょう。
|おわりに|
いかがでしたでしょうか。ここまでご紹介してきた筋肉の部位で、だいたい大きな身体の部位は網羅できています。もちろん紹介してきたトレーニング種目以外にもたくさんのバリエーションがあり、飽きが来ないように工夫していく必要があります。
何よりシェイプアップや体形づくりで必要なのは食事の調整と継続性です。栄養を管理しながらこれまでのトレーニング種目を目標に向かって頑張って実施してみましょう。
本橋直人
Website: http://atlasonlinefitness.com
Facebook: https://www.facebook.com/AtlasMotohashi/
Twitter: https://www.twitter.com/NaotoMotohashi/