Spring has come. 春の到来です。東洋医学的に春は発陳( はっちん) の季節。冬に溜めたものを発散し、新しくすると言う意味です。この時期に行うと効果的なのがデトックス。ある研究によると冬に行う場合と比べてその効果が倍ほど違うというデータも出ています。人間も動植物と同じく四季の影響をしっかりと受けているということですね。
そのデトックスを闇雲に始めるよりも、まずは現在の状態を正しく知ることが大切です。そこでオススメしたいのが「遅延型食物アレルギー検査」です。
食べ物によるアレルギーというと食べた直後に発疹が出るなど急性の症状が一般的に知られていますが、実は遅延型といって食後数時間〜翌日など遅れて発症するアレルギー反応もあります。
しかし、遅延型の場合、見た目で分かるような症状ではなく、ダルさ・何となく疲れる・頭が働かない(ブレインフォグ)・集中力が持続しないといった不定愁訴が主な症状なので、ただの疲れや精神的なものだと勘違いすることが多いです。
実はこの遅延型食物アレルギーこそ腸内環境を徐々に悪化させる大きな要因となります。
上記の検査は何を食べると反応が出るかというグラフがひと目で分かりますので、始めの1歩としてオススメです。
ちなみに味の好き嫌いは関係なく、好んで食べていたものが実は原因だったということも多々あります。
腸というのは身体の最大の免疫器官。その免疫器官の機能が落ちることで急性のアレルギー症状から慢性的な疲労感まで多くの症状を引き起こすとされています。また、腸と脳は密接な関係があります。
発生学的にも人間が形作られる時、先に腸ができてその後に脳が作られます。発生の順序からしても腸が重要であることがよく分かります。
検査をして何に対してアレルギー反応を引き起こすかを知ってからが本番です。
“You are what you eat”(直訳:あなたはあなたが食べたものでできている)という諺がありますが言い得て妙。環境や運動など色々な要因で人間は形作られていきますが、一番の要因は「食事」です。
正しい食事を行うことが先決です。
食生活の改善で特に重要かつ困難なのが「不要なものを身体に入れない」ということ。食事での健康法の場合、『〇〇を食べると良い』などと通常の食事に追加することを前提とした内容が多いのですが、実は摂取するよりも体内に入れない方が飽食の時代に生きている現代人には重要です。
しかし、これまで普通に食べていたものを減らすので始めは苦労します。この変化を受け入れるポイントはしっかりと自分の体調を内観することです。
毎朝、今の自分の調子はどうだ?など少しの時間でも良いので自分自身との対話を行うことです。不要なものを減らしていくことで徐々に体調が良くなっていくのが感じられるようになります。
食の断捨離ですね。
『何を食べるか』よりも『何を食べないようにするか』の方がはるかに健康的で効果的で経済的です。
最新の検査で自分の体の情報を手に入れた後からでもデトックスは遅くありません。この春からじっくりと身体を見つめ直してみてはいかがでしょうか? 自分の身体を自分で管理する当たり前のことを当たり前に行うためにも。
名古屋出身。治療家。トレイルランナー。最新の西洋医学と伝統的な東洋医学を組み合わせた手技治療を行う。トレイルランナーとしては国内外多数のレースに参戦。昨夏はアメリカで 100 マイルレース完走。出張治療承ります。bit.ly/masayama