人生、常にやるかやらないかの選択だと思うんです。僕はやるほうに賭けていきたい。
田村氏を一言で表現すると ’’猪突猛進’’ 私が感じた田村氏の印象だ。
小学生の頃からプロ野球選手を目指し、野球に明け暮れる生活を送っていた田村氏。
野球の名門大学への進学を果たすが、大学2 年時に怪我のため、断念せざるを得なくなった。人生のすべてを野球に注いできた田村氏は、これから何をしていけば良いのか、と途方に暮れる思いだったそうだ。
大学4 年生になった田村氏は、有名なイギリスの実業家リチャード・ブランソンの講演会に参加する。この時のブランソンの話に激しく影響を受け、将来起業することを決めた。田村氏はこの時の様子を
「人生でこの時初めて、野球と同じくらいにワクワクさせてくれるものに出会った」
と語ってくれた。
これを機に起業家を目指しアイデアを練っていた田村氏。日本で就職して経験を積み、
2005 年に奥様と2人でワーホリビザを取得後カナダへ入国、JAPADOG を立ち上げた。
経費が限られている中で苦労して起業し、屋台型の店舗を出店した。当初は、全く売上げが上がらない日もあったそうだ。
当時からカナダでは屋台に対する規制が厳しく、扱える商品が非常に限られていた。更に路上に置いて良いものも厳しく指定されており、販促が制限され厳しい状況下の運営であった。
そんな中でも、日本の味を前面に出し、独自のホットドッグを展開することで、徐々に人気店へと成長。初出店から4 年後の2009 年には2 号店を出店できるまでになった。
「当時は握力がなくなるまで働きました。働き過ぎて手に力が入らなくなるんですよ。これが3 週間に一度の周期で来るんです。それが休む合図になっていました」
と当時を振り返る。
翌年の2010 年にはバンクーバーオリンピックが開催され、JAPADOG には1時間以上待ちとなるほどの長蛇の列ができた。
その様子がメディアに紹介され、次第に名前が知られるようになる。
同年、3 店舗目となる屋台をオープン。更に念願だった路面店をRobson St. に出店し、バンクーバーでは知らない人はいない有名ブランドへと成長した。
現在、アメリカ西海岸に位置するロサンゼルスにも屋台を出しているJAPADOG。今月にはリゾート地としても有名なサンタモニカに、西海岸2 号店目の出店が決定している。
「当初からずっと背伸びし続けてきました。でもこの勢いを失ってはいけないと思うんです。今年中に屋台3 店舗、路面店を1 店舗オープンさせ、西海岸でトップのホットドッグ店にしていきます。そして将来は世界断トツNo.1 のホットドック店にします。ホットドッグを通して世界中の人に夢とワクワクを提供したいですからね」
と意気込みを教えてくれた。壮大な夢に向かい走り出したばかりの田村氏。常に全力投球!!!
吉田:なぜ海外に出て起業しようと思ったのですか。
田村:単純です。一度、海外に行った時にカッコイイ!と 思ったことがスタートです。そのうちにこのカッコイイ場所で商売をしたいと思う様になりました。
吉田:なぜホットドッグを売ろうと考えたのですか。
田村:初めはクレープを売ろうと考えていました。でも、屋台の場合は規制が厳しくて衛生管理所に却下されてしまったんですよ。そこで目を付けたのがホットドッグでした。当時はお金がなく、屋台しか出せなかったですからね。
吉田:当時からホットドッグ店は多かったと思いますが、その中でどう差別化されたのですか。
田村:今より格段に多かったです。1ブロックに1台ホットドッグの屋台があるのではないか、というような状況でした。そこで、日本の味を全面に出していこうと考えました。それが現在も人気商品として健在の、おろしやテリマヨです。
吉田:一番苦労したことは何ですか。
田村:英語ですかね。今も恥ずかしいくらいできませんが(笑)。当時は妻と2人で全くわからなかったのでジェスチャーで注文を受けてましたね。また、現在もそうですが屋台に対する規制が厳しいので、それに対応していくのはすごく大変です。
吉田:成功へのターニングポイントは何だったと思いますか。
田村:成功なんて(笑)。まだまだこれからという気持ちですよ。ですが、良い転機となったのは路面型の店舗を出し成功した時です。これからの発展に更に可能性を感じましたし、店舗として出すことで、扱える食材の幅も広がり、屋台と比べてメニューも多彩になります。また、それ以上に店舗としてしっかり構えてできたことが自信にも繋がりました。
吉田:どんな人と一緒に働きたいと思いますか。
田村:やる気! ただこれがあれば良いです。スキルは後でいくらでも付けることができます。一番重要なことはやる気ですね。
吉田:今後の目標は何ですか。
田村:現在、アメリカ西海岸に屋台を1台出しています。今年中に屋台を3台まで増やして、更に路面店を1店舗出すことです。西海岸でJAPADOG の名前を広めたいですね。
座右の銘
やってやるぜ! 常にこの気持ちで挑戦です。
田村さんからのメッセージ~これからの君たちへ
夢はできるだけ大きいほうがいいと思うんです。そのほうがワクワクするから。あとはその夢に向かってどれだけ本気になれるか。それは自分自身が決められることなんだと思います。