カナダでキャリアを築くには色々な方法がありま す。日本で培った経験を活かして更なるキャリアアップを試みる人もいるでしょうし、日本でのキャリアとは全く異なる方向、いわゆるキャリアチェンジをカナダで試みる人もいます。この出張講座ではキャリアチェンジを含め、日本人の方々がカナダでキャリアを築く上で何が重要なのかを、様々な方の例を交えてご紹介していきたいと思います。
■社会人未経験&英語力なし-マイナスからのスタート
Aさんは日本の大学在学中に現在のカナダ人のご主人と出会い、卒業前に結婚、そして卒業と同時にカナダに来ました。日本での就労経験といえば、大学生時代にしたスターバックスのアルバイトのみ。
そんなAさんが異国地カナダでキャリアを築く上で行ったことが、 通信での米国公認会計士(USCPA) 資格の取得です。大学では経営学部だったのでビジネスの基本知識はあった Aさんですが、会計の知識はほぼゼロに近く一からの勉強となり、資格取得まで1年掛かりました。その間、カナダ移民が無料で受講できる英語クラスELSA で英語力を磨くことに。
頑張り屋のAさんは最初のレベルLevel 1 から最高レベルのLevel 5 まで数ヵ月で到達するほど短期間で英語力をアップさせました。
カナダに来た当初はジョブインタビューを到底受けられない英語力だったAさんですが、会計士の 資格を取得する頃にはジョブインタビューで自己アピールを流暢にできるほどまでに英語力がアップしていました。
弊社でもインタビュートレーニングを行いましたが、持ち前の明るさと積極性で就職活動開始からわずか数週間で内定を獲得。カナダ大手のグループ会社の会計部門での仮採用が決まりました。仮採用期間は半年間。そして、半年後に嬉しい報告がAさんからありました「正社員採用になりました」と。
キャリア構築のポイント
日本の大学を卒業しすぐに渡加、卒業からの1年間のブランク、会社勤務経験一切なしという、ネガティヴ要素満載のAさんが、カナダで、会計のお仕事でネイティブをライバルに正社員採用まで辿り着けた秘訣は、やはり
しっかりとした先を見据えた準備を着々とされた
ことにあります。
弊社へキャリアカウンセリングのお問い合わせいただいたのが大学卒業前ですから、カナダに来てからキャリアの方向性を考えるのではなく、前もって1年先、2年先を見据えた行動を取られていたと言えるでしょう。
カナダに来られてからもしっかりとネットワーキングを行い、色々な人と出会うことで市場の知識を深め、人を通してコミュニケーション能力を高め、ジョブインタビューを受ける頃には、同じポジションを狙うカナディアンとも同等に争える力を身に付けていたA さん。
キャリア構築では、自分のネガティヴ要素ばかりに目を向けるのではなく、それを克服する力を身に付けることに時間と労力を費やすことがとても大事です。