カナダでキャリアを築くには色々な方法があります。日本で培った経験を活かしてさらなるキャリアアップを試みる人もいるでしょうし、日本でのキャリアとは全く異なる方向、所謂キャリアチェンジをカナダで試みる人もいます。今回のシリーズではキャリアチェンジを含めカナダで日本人の方々がキャリアを築く上で何が重要なのかを様々な方の例を交えてご紹介していきたいと思います。
■専業主婦歴20年̶異国の地カナダでのキャリアスタート
カナダに留学中の娘さんと一緒に暮らす目的も含め、渡加を決意したSさんですが、日本では働いた経験がない専業主婦歴20年のシングルマザー。
英語力は基本的な会話ならできる程度の彼女にとって、何から手をつけて良いか分からなかった状況でしたが、エステシャンプログラムを見学して「これなら私にもできるかも」という思いから、マッサージやネイルなどスパの勉強を1年掛けて行い、エステティシャンBC 州公認ライセンスを取得。Sさんは英語力ではローカルの学生に決して敵わないはずなのに、エステシャンプログラムを首席で卒業するほどの頑張り屋さんです。
卒業後は、バンクーバーにいくつかのスパサロンをもつ会社に就職することになりました。とにかく何ごとにも真剣に取り組み、そして一生懸命に働くSさんはすぐにマネージャーからも信頼され、お客様の指名もサロンでトップになるまでに成長しました。エステシャンとして働いて3 年が過ぎた頃には新規オープンするサロンのマネージャーに抜擢されるほどに。サロンマネージャーの職を数年経験した後、現在はエステの講師として活躍されています。
キャリア構築のポイント
Sさんから学べることは「できることをとことん頑張る姿勢」ではないでしょうか。
正直、職歴がなく、ある程度の年齢に到達してしまってからのキャリア構築の可能性には限りがあります。しかし「できないこと」に目を向けるのではなく、「できること」に重きを置くことで、自分への自信が芽生え、自分が提供できることのクオリティが高まり、結果キャリアアップへ繋がっていきます。
カナダ留学をされていたお子様も今では成人され、来年にはカナダの大学を卒業されます。現在はエステ講師の傍ら、自宅で可能な範囲でエステシャンのお仕事をされているSさん。安定したキャリアを持ち、そしてお子様も手が掛からない年齢に なられた現在、将来のキャリアビジョンについて質問をしたところ、「さらに経験を積み、どんなサービスがお客様を満足させられるかをより深く学び、もっとスキルアップをしたいです。将来は自分のエステサロンをオープンできれば嬉しいですね」とのこと。
現状に満足するのではなく、常にスキル・能力を磨く姿勢には学ぶべきところが多くあります。