ワークパーミットへの道
③申請開始 ―長い道のりの始まり―

申請自体は、ワーホリビザが切れる1ヵ月前に始めた。それまでにエージェントの方と何度も話をし、申請から受理までにかかる時間と、それに伴って申請を開始した方がいい時期を見極めた。

 ワークビザを取得するまでには別に必要な書類がある。それはワークビザのスポンサーになる会社で、私がどのようなポジションを任されているのか、それがカナディアンではなく、海外労働者である必要があるのかを政府に証明する書類である。この書類がないと、ワークビザの発行ができない。
 他の志願者の進捗状況なども含めて、エージェントの予想は4 ヵ月ほどで申請が完了するというものだった。ワークビザの申請さえ始めていればワーキングホリデーのビザが切れても働いていいということになっているので、カナダ在住1 年が過ぎてからも働き続けられた。
 ちょうどその頃、バリスタとしての仕事を開始した頃だったので、毎日、接客英語に奮闘していた。ビザという未知のものでありながら、自分のために挑戦するという決断を下したこと、念願のバリスタとして働き始められたこと、そのすべてが重なり、今その当時を思い出すと、私のカナダ生活の中で一番充実していたように思える。
 当時私は、ダウンタウンにある、会社一小さい店舗で、アイルランド人の男の子と2人で働いていた。はじめはネイティブと2人きりでちゃんとやっていけるのか不安で仕方がなかったが、後に大親友になる相方ケビンと過ごした5ヵ月は私の人生においてかけがえのないものとなった。
 同時に、ビザ申請という人生初めての経験に直面した私のストレス疲労もかなりのものであった。通らなかったらどうしよう。このまま日本に帰っても、中途半端な英語力のままで、やりたいと思えるものもない。もし今ビザがダメになってしまったら…。
 そんな考えても仕方のないことを考えては、気持ちを落とし、前向きなケビンに励ましてもらい、自分の力でどうしようもないことを考えても何も変えられないのだと思い直しては、また英語とバリスタに奮闘する日々を過ごすのであった。


Yuka

英語とカフェが好きで、コーヒーの街・バンクーバーにワーホリしにやってきました。趣味は写真を撮りに散歩すること。日々英語と仕事に奮闘中。

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