ワークパーミットを申請し始めるずっと前、ワーホリを決断するずっと前までさかのぼるかもしれない。私には、ずっと考えていることがあった。 それは、『これから何がやりたいか』ということ。カナダに行って英語を勉強したい、ワークパーミットを取ってもう少し長く滞在したい、そのすべてが私のやりたいことではあったけど、私がずっと探し続けていたものは目の前のやりたいことではなくて、長期的な職業として、どうやったら社会に貢献できるか、そのために私がやりたいことは何か、ということだった。
周囲と同じように、高校を卒業して大学に進学し、就職活動を行った。友人はどんどん自分の進路を見つけていく中で、私はいつまでも二の足を踏んでいた。ずっと探していたものは、見つけた!と気づくように目の前に現れるのではなくて、気づかないうちに、そっとそばにあるものだと思う。
ワークパーミットを取得した1ヵ月後。野外バレーボールに参加した時、私の知っている人は誰もおらず緊張はしていたが、優しく声を掛けてくれる人が多く、気づかぬうちに私も会話を楽しんでいた。その会話の流れで、カナダにはどのくらいいるの?と聞かれ、1年半くらいかな、と答えた時の反応が、自分が思っていたよりもポジティブだった。もうこっちに移民しているのかと思った、と言ってくれた人もいた。
私の英語、私が思っているよりも成長しているのかもしれない。仕事も上司や同僚に恵まれて楽しくやっていたが、念願のバリスタとしてコーヒーも作れるようになっていたし、キッチンでの仕事を任されるようになって、ベイカーとしての経験も増えた頃だった。カフェで学べることはやりきったかもしれない。そう思い始めていた頃だった。
それから5ヵ月近くが経った今、私は帰国することを決意した。半年近くワークビザが残っているにもかかわらず。私がカナダに滞在する上で協力してくださった方々には申し訳ない気持ちもあったけれど、私がベストな決断だと思うならばどんなことでも応援するよ、という声に支えられ、新しい1歩を踏み出そうと思う。日本でちょっとばかり、英語の先生になるために。
拙い文章ながら、読んでくださったすべての方に感謝しています。
またお会いできるとすれば、『英語教師までの道』というタイトルだったらいいな。