静まりかえった部屋の中に、カチッ、カチッと碁石を打つ音だけが心地良く響く。何とも言えぬ緊張感と静寂。
対局が終わると張りつめていた空気が緩み、皆さん和やかに談笑しながら対局を振り返る。
1970 年代に始まったというバンクーバー囲碁クラブは、現在も毎月2 回開催。年齢や国籍を越えて、「囲碁好き」な方々が集まって対局を楽しんでいる。
囲碁は、思考力や先を読む力を要求されるボードゲーム。その歴史は古く、2千年も前から中国の庶民の間で一般的に楽しまれていたという。詰碁を1人で解いたり、ゲームのアプリでもできるが、やはり人と直接向き合える対局が一番楽しい。
上級者との対局は、良い刺激・良い勉強になる。
この日も、クラブ創始期から長く通われているベテランの方から、最近囲碁の面白さに目覚めてメキメキと上達してきている若者まで、年齢もレベルも国籍も様々な方々が、“ 黒と白の碁盤の宇宙” の中で真剣に楽しんでいる姿が印象的。およそ1 時間半ほどの対局も、皆さんまったく疲れを感じないという。
特に昨年は、日本の囲碁インストラクター・野口航一さん(弱冠20 歳にして7段の実力!)を迎え、技術的にも多くを学ぶチャンスに恵まれた。「チェスや将棋は駒の動きが決まっていますが、囲碁はもっと自由度が高いです。考えることが好きな人には、とても面白いゲームですよ」と、野口さん。
囲碁の別名を「手談」というのだそう。言葉を交わさなくとも、碁石を打つ手の先で会話ができるということだ。ルールは簡単。ちょっと頑張れば一生続けられる奥の深いゲームなのである。
「囲碁は世界中で楽しまれています。上手でも下手でも、初心者でも大丈夫。自由に楽しんでいただきたいと思いますね。言葉は必要なし! 国籍や年齢、性別に関係なく“ 心の会話” ができますよ」とおっしゃるのは、囲碁クラブ会長の小林洋ひろしさん。日常の煩わしさをしばし忘れて、ただ囲碁に集中することで脳が活性化されるので、若い方はもちろん、シニアのボケ防止にもグッド。「見学は無料。ドロップインでの参加もOK なので、どうぞお気軽にのぞいてみてください!」
開催日:隔週土曜日 13:00 ~ 17:00 @日系センター
会費:年会費$80 ドロップイン$5(学生は$3)
連絡先:hirokoba6384@gmail.com (小林 洋)