第33回 「自分を嫌いになった時」の処方箋 その2
自分を嫌いになっている時は、人間関係、将来設計、仕事、恋愛、健康など、生活全体に大きな影響を及ぼしてきます。まず、客観的に見れば分かりやすいと思うのですが、 嫌いになった人のことを信用することができますか？自分を嫌いになっている時も同じで、自分のことが信用できなくなり、今までできていたことも次第にできなくなったり、小さなことを決断するのも考えすぎたり、人から受けるちょっとした言葉が気になって深読みしたりなど、普通に生活するのにも膨大なエネルギーを要するようになります。
■「自分嫌い」が慢性化してしまうと「うつ」になる
風邪はこじらせると気管支炎になり、それをそのまま放っておくと肺炎になってしまいます。自分嫌いも同じで、放っておくと、次第に慢性的なうつになってしまいます。 多くの人が「うつ＝性格」だと思っている人も多いようですが、うつは考え方や感じ方、ライフスタイル、家族の価値観から来ている「癖」だと 捉えてみてください。うつの治療にお薬が使われる場合がありますが、薬で自分や周りの人に対する嫌な気持ちも大幅に軽減されることがよくあります。お薬で症状が抑えられるということは、それらはあくまでも症状で、性格ではないということになりますよね！
■愛している人に言われたことを信じると、自分が嫌いになる？！
自分が嫌いになっている人の傾向は、愛した人からの言葉を心から信じてしまったからです。例えば、親や大好きだった恋人から言われた、「何をやってもダメ」「頼りない」「デブ」「ブス」「嫌い」「将来がない」などの否定的な言葉をまともに受け止め、心の底から深く傷ついたのだと思います。 魔法のように一瞬で閉じてしまった心を開けるためには、今一度冷静になって考えてみてください。あなたが傷つけられた言葉は、相手の「ニーズ」であり、あなたのニーズではないのです！ 彼ら自身が「出来が良くなりた い」「頼れる存在でいたい」「かわいくなりたい」「痩せていたい」「将来の安定」を強く望んでいただけのことです。つまり、彼らが自身に投げていた言葉を、あなたが真摯に受け止めてしまったのです。
■「あなたのために言ってるのに…」は信用しなくてもいい！
自分自身でニーズを埋められない人は、 人を変えようとしたり、子供に望みを託そうとしたりして、愛している人から自分のニーズを埋めてもらおうと努力する傾向があります。でもそれを叶えてあげられなかった時、大人に限らず子供も落ち込み、その挫折感を自分の存在価値として大きく受け止めるところがあります。ですが、そもそも自分のニーズを埋めるのは、個人それぞれの責任であり、それはあなたのお役目ではないのです！ 自分嫌いを好きに変えていくためには、 自分自身との信頼関係を立て直すことが最も先決です。それには、自分のニーズを見極め、小さなことからで構わないので、それらを自分の力で埋める努力をすることです。もし自分が何を求めているのかが浮かんでこないようであれば、「どんな人になりたいか」をまずビジョンとして、そこからスタートしてみてくださいね！
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