『The Call of the Wild』-100 年以上愛される名作の映画化
Does the Dog Die ?(https://www.doesthedogdie.com/)というサイトをご存知だろうか? 映画や小説などで、犬が死んだり虐待されたりするのを見るのがツラい、できれば見たくない、もしくは見る前に心構えを持っていたい…そんな思いを抱く人々のため、その作品の中で「犬は死ぬのかどうか?」を検索できるウェブサイトだ。見た人達からのリポートで、犬のみならず、猫、馬、その他の動物についても死ぬシーンがあるかどうかがわかるし、他にも噛まれるシーンがあるか、虐待されるシーンがあるか、蛇は出てくるか、虫は出てくるか?…などなど、トラウマになりそうなあらゆるシチュエーションについて事前チェックできる。今回紹介する『The Call of the Wild』(監督・Chris Sanders、主演・Harrison Ford)は、果たして?… Does the Dog Die ?の検索結果は、「NO」、犬好きの方も心穏やかに見られるので、ご安心を。
カリフォルニアで飼い犬として長閑に暮らしていたBuck は、誘拐され、犬ぞり用の犬として売られてしまう。過酷な環境に放り込まれたBuck は、人間や他の犬達と関わりながら、極寒の中で生き抜く術を身につけていく。やがて、唯一無二の相棒となるThornton(Harrison Ford)と出会い、強い絆で結ばれた1人と1匹は、人類未踏の地を目指す冒険の旅に出る。“2人” の友情とも言える結びつきには、ひたすら胸が熱くなるばかりだ。
原作の『The Call of the Wild』はアメリカの作家Jack London(1876 年-1916 年)が1903 年に発表した小説。アメリカの学校では課題図書になるほどの有名な作品だ。日本でも『野性の呼び声』という邦題で長年にわたって出版されている。これまで、何度も映像化されているが、原作の物語を完全に表現したものではなかった。舞台は19 世紀末のカナダ・ユーコン準州、雄大で厳しい大自然の中での危険な場面も多く、犬を使って撮影することはまず不可能だったからだ。今回の映像化では、“主役” のBuck や犬達をCGで描くことによって、初めて原作の完全実写化を実現。本物の犬顔負けの、表情豊かなCG 犬達の“演技” も見ものだ。
Twitter: @usagy_van
さすらいの旅がらすライター。2002 年からバンクーバーに在住。好きな海外ドラマ、映画は数知れず。面白ければ何でもござれの雑食系で、カナダ、アメリカ、日本を股に掛けて映画やテレビを追っ掛ける日々。