前回は「エナジードリンク」についてどのようなものかを考えました。
今回はエナジードリンクの安全面、副作用について考えます。
エナジードリンクに含まれるカフェインは安全か?
カフェインの副作用については、過剰摂取により不眠、イライラ、不安感、胃のもたれ、頭痛や吐き気、嘔吐、血圧と心拍数の上昇などが見られます。健康的な成人であれば、400mgまでならば悪影響との関連が見られないとのことですが、3,000mg程度を数時間以内に摂取した場合に顕著な副作用が見られ、5,000mgを超えて1度に摂取すると死に到ると言われています。これら数字は使用者の性別、年齢、体格、肝臓の酵素、アルコールや他の薬物との併用、持病、どれくらいの時間内に摂取したか、その時の体調などにかなり影響されますので、相当に個人差は大きいと考えられます。少ないケースでは1回250mgのカフェイン摂取で副作用が見られたとの報告もあるそうです。これはコーヒー約2杯分に相当します。エナジードリンクの場合は、カフェインと糖分以外の成分がカフェインの効果を増強・或いは減弱させる可能性も指摘されており、カフェインの効きが読めない部分があります。
エナジードリンクの副作用について
エナジードリンクの摂取に関しては、健康的な成人がメーカーの推奨する量の範囲内で摂取した場合は悪影響は殆ど見られていないようです。その一方、気を付けたいレポートがあることも事実です。例えばカフェイン+タウリンなどのように特定の成分との組み合わせや、推奨量の2倍(2缶)を摂取したことで、短期間だけの研究ですが、血圧や心拍数に変化が見られました。これが実際の健康にどう影響するのか、そして長期に渡る摂取による適応はどうなのかは不明です。通常のカフェインの研究では、コーヒーを飲むなどしてカフェインを日頃から摂取している者に対しては、カフェインの影響(心拍数や血圧などの変化)が小さいことが見られています。エナジードリンクの、長期に渡る摂取の危険性を調査した研究はないようで(少ない?)、これに関しては未知な部分が多いです。もし飲む場合は、少なくともメーカーの推奨量は超えないことが安全性を確保する上で重要になりそうです。また、一人ひとり、自分の反応はしっかり管理した方が良さそうです。
エナジードリンクは売り方も問題点が指摘されています。通常の清涼飲料水としてスポーツドリンクなどと並べられて売られていることもあり、普通の飲み物であると思わせてしまう部分があるようです。したがって、注意していないと口あたりの良さからがぶ飲みしてしまうということも考えられないことではないです。このことは未成年者に対しても注意が必要です。また、エナジードリンクとアルコールとの併用は副作用を強めると指摘されており、これは避けたほうが無難です。バーに行くと普通にメニューであるんですけれどもね…。
エルゴジェニックエイドとしてのエナジードリンク
エナジードリンクは競技パフォーマンスやトレーニング中のパフォーマンスを高めるサプリメントとして利用できる部分があります。気分・リアクションタイム・覚醒に関するマーカーが向上し、無酸素・有酸素運動に対しても一部のパフォーマンスが向上したという報告があります。どの量をどのタイミングで摂取するのか、使用者がカフェインに対して反応する体質なのか、メーカー毎の成分の違いによってもその効果の有無には差が出てきます。中には、とある製品を有酸素系の運動前に摂取しても全く効果がなかったとされる研究もあります。これらのことから、どの製品が良いかというのはアドバイスが難しそうです。詳しいプロトコルなどにご興味がありましたら、このブログの1番下にある参考文献も覗いてみてください。
まとめ
・エナジードリンクは、上手く利用すれば競技パフォーマンスや精神活動に役に立つ場合もありますが、メーカー推奨の量以上の摂取はお勧めできません。これはしっかり守りましょう。
・アルコールとの併用は禁物です。
・個人差があります!常に自分の体質を把握していましょう。持病などに関連してのことは、主治医の指示に従ってください。
美味しい、そして眠気が吹き飛ぶからといってエナジードリンクを大量に摂るのは控えましょう。ここではエナジードリンクのみを挙げていますが、それはコーヒーであっても同じことが言えます。何事も程々が一番です。