実際に生活していくために欠くことのできない10 の概念を『基礎概念』と呼び、これらを幼児のうちにしっかり定着させておくと、小学校に入ってからの学習がスムーズになります。今回は、この基礎概念のうちの5つに関してご説明します。
①色…基本三原色の赤・黄・青から教え始め、理解できたら徐々に混色や濃淡なども教えます。名画・絵画、自然の中の色彩を見せると色の感性を伸ばすことができます。
②図形…丸・三角・四角が理解できたら、楕円形、各種三角形(直角三角形、二等辺三角形など)各種四角形(ひし形、台形など)、星、ハート、三日月、多角形などの平面図から、立方体や球、円柱、三角錐などの立体まで教えましょう。パズル、積み木やブロックで遊ばせると、この概念がよく育ちます。
③大小…基本は大・中・小。最初は具体物を使って大小を比べて教えます。それが理解できたら、相対的な(大きいと思っていても、より大きいものと比べると小さい)ことを教えます。実物を見せて、動物や乗り物などの実際の大きさを感じさせることも大事です。また、長い短い・高い低い・重い軽いなどは、体を使って表現させると良いでしょう。
④数…基本は1~ 10 の数唱から取り入れてみましょう。お風呂でも階段の上り下りでも、生活の中に取り入れやすい概念です。10 まで覚えたら2とび、5とび、10 とび、100 とびの数も忘れずに。最終的に1000 まで数えられるようになりましょう。また、数唱だけでなく、数字と実数の理解(5のところに5 個のおはじきが置ける)も必要です。さらに、ひとつ、ふたつ、みっつという数え方や、助数詞(~本、~個)なども数の概念に含まれます。
⑤量…多い、少ない、半分、もっと、もう少しなどの言葉や、分数の概念を教えます。言葉の説明では分かりにくいので、実際の生活の中に取り入れて『実際のもの』と『概念』がしっかりとつながっていくようにしましょう。飲み物を入れる時、食べ物を取り分ける時などに、意識的にこのような言葉を使っていきましょう。年齢が大きくなると、g(グラム)、ℓ(リットル)などの単位も教えていきます。
次回は、残り5つの概念をご紹介します。