今回は、読解のスピードアップにつながる関係詞に関してです。関係詞は、関係代名詞と関係副詞があります。名前は似ているのですが、構造は大きく異なり、次のそれぞれ４つのものを指します。この４つは、関係詞の出発点なので必ず覚えてください。
それでは、次の文で２つの文の構造の違いを考えてみましょう。
[ 関係代名詞] ① Toronto is the city which Mieko visited last summer.
[ 関係副詞] ② Vancouver is the city where Mieko lives now.
① の文は、そもそも、Toronto is the city. + Mieko visited Toronto last summer. という２つの文が存在し、関係代名詞のwhich を使ってくっつけたものです。 the city =Toronto という関係が成立し、名詞（the city）を関係代名詞which に書き換えたものです。
Toronto は、which に代わったのでToronto を残さないように気をつけてくださいね。
（X）Toronto is the city which Mieko visited (it) last summer.
②の文では、Vancouver is the city. +Mieko lives in Vancouver now.
the city= Vancouver の関係が成立し、関係代名詞を使って２つの文を結ぶとVancouver is the city which Mieko lives in now となります。もともとin Vancouver で固まりをつくっていたので次の文のようにin which の固まりにして次のような文もできます。
Vancouver is the city in which Mieko lives now. [ 前置詞＋関係代名詞]
このin Vancouver は、場所を表す副詞なのでthere という副詞に代えることもできます。there が副詞ということは、関係副詞where がここで登場します。すなわち、in Vancouver= there, in which = where という関係が成り立ちます。関係代名詞と同じようにwhereを先頭にだして先行詞（the city）の直後につなげます。完成したものが、以下の関係副詞の文です。
Vancouver is the city where Mieko lives now.
それでは、実際に問題をやって違いをつかんでみましょう。
1. The department store, —— is expected to open in late November, is close to the downtown shopping mall.
(a) where (b)which (c) what (d) that
空欄の後ろには動詞is expected がきているので、空欄は主語の役目を果たしています。主語になるものは、代名詞（=the department store ）です。
ここで、関係副詞は、除外でき、whichか that に絞り込むことができます。
that の前には、カンマはおくことができないので答えは(b)。
訳：そのデパートは、11 月下旬にオープン予定ですが、ダウンタウンのショッピングモールに近い。（カンマとカンマを使って挿入された,which ～ , の固まりは左から右へ返り読みせずに訳してください！）
2. The new hospital will be built early next year to provide the care ——patients are waiting.
(a) where (b) which (c) for which (d) that
空欄の前は、the care（介護）が来ているので、場所を表すwhere は、除きます。今度は空欄の後ろにも注目してみましょう。Patients are waiting —the care. という文が成立します。waitの後にはfor が必要です。ゆえに、正解は、(c)。
訳：新しい病院は、患者が期待しているケアを提供するために来年初めに建設されるでしょう。
3. The tax hike came in spite of slow economic growth in the country, —— a number of cities are burdened by accumulated debt.
(a) where (b) which (c) that (d) what
空欄の前は、場所なのでwhere もwhich も考えられます。次は空欄の後に注目！主語も動詞もある完全な文なので、副詞の役目を果たす(a) whereが正解。
訳：経済の緩やかな成長にもかかわらず増税がその国では実施された。そしてその国では多くの都市が長年にわたって蓄積された債務に陥っている。
