英語はこうやって勉強しよう!
④「1年後の私は、英語が話せているのだろうか?」

eigo

④「1年後の私は、英語が話せているのだろうか?」

 さて今月号は、特に新しくカナダに足を踏み入れ、これからカナダ生活を楽しもう!と思っておられる方にぜひ読んでいただきたいトピックにしました。題して、「1年後の私は、英語が話せているのだろうか?」です。
ちょっとドキっとされた方もおられるのでは!? でも大丈夫。カナダに着いたばかりの今、しっかり計画を立てておけば、1 年後のあなたはきっと笑っているはずです!
今日は、私がオススメしたい「カナダワーホリ滞在のすすめ」をお届けいたします。
 まず、「とりあえず学んで働いて楽しくステイできればいい」と思っておられる方は、毎日思うように楽しく安全に過ごされるのが一番ですね。次に「仕事をしたいけど、できればカナディアンな環境で」と思っておられる方は、「滞在の最初に」「何がなんでも」英語力を上げましょう。ただしタイムリミットは6ヵ月。バンクーバーのレストランやカフェで仕事を探す際には、最低半年働けるビザが残っている方が有利だからです。さて、ではこの最初の6ヵ月。内訳を見てみましょうか。
 私が過去10 年以上、日本からバンクーバーにやってくる生徒さんにお薦めしているのは、「1・1・1・3」の黄金ルールです。まず最初の1ヵ月はせっかくカナダに来たので総合語学学校などに入り、いろいろな国のクラスメイトと交流しながら、ぜひ「カナダらしさ」を存分に楽しんでください。ただし…落とし穴にはまらないように…! ただ、のほほんと楽しんでいては、いつのまにか8ヵ月経っていた!というのは、残念ながら耳にタコができるほどよく聞くお話です。この最初の1ヵ月のうちに、楽しむと同時に自分の弱点をしっかり見据える努力をしてみましょう。私の出会ってきた何千人という日本人留学生の皆さんは、たいてい以下の4つのタイプにあてはまってきたのですが、皆さんはいかがですか??
タイプ1)
文法はある程度わかっているのに、頭でっかちになってしまい、なかなか口から英語が出てこない。
タイプ2)
とりあえず感覚で単語を羅列してコミュニケーションを取れている感じはするが、単語をきちんとつなげられていない
タイプ3)
簡単ではあるが文法的な文章を話しているのに、発音が違うのか、よく聞き返されたり通じていなかったりする。
タイプ4)
基本的なコミュニケーションは取れているが、いつも同じような単語や言い回しを繰り返しているだけで、少し難しいトピックや本当に言いたいことが言えていない気がする。
 さて。大切なのはここからです! 自分なりに見つけた弱点をしっかり見据えて、次の1ヵ月に進みます。次は新たなる挑戦ですよ。準備はいいですか? 2ヵ月目は、その弱点を克服するために特化したコースを選択する、です。文法が弱い人はそれを徹底的に叩く。コミュニケーションに入るのが苦手な人はそこを集中的に練習する。発音特化コースを取る、などです。正直、2ヵ月目が一番キツいかもしれませんが、せっかくカナダに来たのでぜひぜひ頑張って踏ん張ってください! そしてこの魔の2ヵ月(笑)を終えると、次はなんと、最初にいた総合学校にまた戻ってみましょう。そうすることで、1ヵ月目との差を感じることができ、誰に言われなくとも自分の中で大きなモチベーションとなるからです。例えば私の学校に来た生徒さんは、タイプ2で文法がボロボロだったので、『文法インプットコース』を1ヵ月だけ取りました。そして翌月、元いた総合学校に戻ってみると…ほんの1ヵ月で3ステップ上のクラスにジャンプできたのです。このように、「元いた場所に戻った時に同じではいけない…!」というシナリオは、実は「2ヵ月目の自分、本気で頑張れ!」という軽いプレッシャーにもなるんですね。
 さぁこれで、最初の「1・1・1」が終わりました。短期間で英語の伸びを「確実に感じる」ことが大切です。
私は自分の生徒さんにはよく「英語の学習はダイエットと似ている」と言っています。なんとなくダイエットをした「気になって」体重も計らずに3ヵ月が経ってしまった…では、結果もかんばしくないでしょうし、モチベーションも下がります。最初の数週間できちんとした結果を数字で出せれば、続けよう!という気にもなりやすいですよね。ダイエットをしている間はしんどいけれど、結果が出たら嬉しいし達成感がある。英語もそう。英語を勉強している時はやっぱりしんどいです。でも楽しいのは、本当に話せるようになってから。まさに今、始まったばかりの皆さんのワーホリ生活の期間内に、ぜひその「楽しさ」を思う存分味わっていただきたいと願っています。
 さて、では最後に残った3ヵ月はどうしたらいいのでしょう。これは予備に取っておきましょう。例えばその後、「総合語学学校でもっと多くのクラスメイトと交流を深めたい」「英語教師養成コースなど、資格に特化したコースにチャレンジしたい」などでしょうか。
 せっかくカナダに来たんだもん。1年後には違った自分になって帰国したいですよね。そんな皆様を応援しています! 

記事提供Vector Internaitonal Academy

筆者プロフィール:Mari Kato
University of British Columbia (UBC) 大学院教育学修士号取得(英語教授法)。大阪大学大学院言語文化学修士号取得。
カナダのカレッジで通訳翻訳コースを10 年間教えた後、「短期間で英語を話せるようにする学校」Vector International Academy を創立。Chief Instructor として教鞭を執る一方、バイリンガル司会業や通訳業、コラムニストとしても活躍。

こんな記事も読まれてます。