英語はこうやって勉強しよう!
⑥「素早い文章の作り方」

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⑥「素早い文章の作り方」

 カナダ到着後、そろそろ学校生活にも慣れてこられた方が多いのではないでしょうか。すべてが英語でどんどんススむ学校も生活も最初はどぎまぎしちゃいますね。
 「せっかくカナダに来たんだもん。やっぱり英語が話せるようになりたい!」。でも、何だかいろいろなことが新し過ぎておろおろしてしまうし、今の自分のレベルから本当に英語が話せるようになるんだろうか…という不安も現実味を帯びて感じてくる頃かもしれません。もしあなたが、「うんうん」とうなずいて読んでおられるのであれば、ぜひ注目いただきたい!
 カナダに足を踏み入れて数ヵ月の今こそが、第一関門ですぞ!
 ここで手綱をゆるめてしまうと、8ヵ月後に後悔することになるかもしれません。いろいろと圧倒されている今こそ、しっかり時間を取って、ゆっくりと考えてみませんか。今の自分の状況と、これからのゆく道を。
 今月号では、「素早い文章の作り方」を、イメージとともにご紹介いたします。使うイメージは、LEGO ブロックです。あの、いろいろなピースがあって飛行機からお城までいろいろな物が作れちゃう、あのLEGO ブロックを想像してくださいね。ではいきましょう。

 文章の作り方、「掟その1:相手にわかる物を作ろう」
  LEGO で何やら頑張って作っているのですが、最終的に「これ…何!?」と言われてしまっては、作る時間と努力が無駄になってしまいます。「く…車なんだけど…」「え…車ぁ?!」とならないように、誰が見てもちゃんと車だとわかるように作りましょうつまり、きちんとした文法で、自分がちゃんと知っている単語を使って文章を作ろう、ということです。初中級者によく見られるのが、あやふやな文法で、なんとなく知ってるか知らないかといった単語をつなげるだけのスピーキング。言われてみれば、「ああ、車ね…」とわかるのですが、言われないと何を作ったかわからない、では悲しいですね。

 掟その2:車に必ず必要な部分から作り始めよう」
 LEGO の車、まずはシンプルな車作りを目指しましょう。まず、車体と4 つの車輪をくっつけるべきですよね。それを、シートを先に作ったり、凝ったヘッドライトを作っていては、それが車か何か伝わるまでにとても時間がかかってしまうのです。英語を話す際も同様に、まずは「何が(主語)どうだ(述語)」を最初に迅速に述べるようにしましょう。最初から凝ったものを作ろうと思って、難しいボキャブラリーや、ややこしい関係代名詞を使ったりすると、結局文章の「骨」となる部分が伝わらないまま、時間だけが過ぎてしまうことが多いのです。“The movie… big animal? Girls… like sisters. Girl meet big animal? And help…..”
(映画…大きい動物? 女の子…姉妹? 女の子大きな動物会う? 助けろ…)
 いやー、何がなんだか、ですよね。それを、「何がどうだ」に注目して組み立てると、
“This movie is about a big animal. You will see two girls. They’re sisters. The animal helps them…”
(この映画は大きな動物についてのお話です。2人の女の子が登場します。2人は姉妹です。その大きな動物が姉妹を助けて…)
 随分とわかりやすくなりましたね。

 「掟その3:車体がきちんとできて、まだ時間があったら、ぜひ装飾してみよう」
 誰が見ても車だとわかるシロモノができて、「さらにまだ時間があったら」車のバンパーにロゴをつけたり、かっこいい窓をつけたりしましょう。上記の文章で言うと、
“This movie is about a big animal [called Totoro].
You will see two girls [, Satsuki and May]. They’re sisters. The animal [Totoro] helps them [when they’re in trouble]….”
(この映画は「トトロと呼ばれる」大きな動物についてのお話です。「サツキとメイという」2人の女の子が登場します。2人は姉妹です。「2人が困ったときに」「トトロという」この動物が助けてくれて…)
 かっこでつけた部分は、いわゆる装飾部分です。なくても車だとわかる。でもあった方が、よりかっこいい車に見える。スピーキング時に時間と余裕があれば、つけてみましょう。
 このように、まずはLEGO で車を作ってみてうまくいったら、次に飛行機を作ってみたりお城を作ってみたり…とチャレンジしてみましょう。お城を作る時には、車では使わなかったブロックが必要となるでしょうし、車よりも大きい作品となります。つまり、もっと違った単語が必要となるでしょうし、もっと長い文章になるかもしれません。

せっかくカナダに来たんだもん。毎日を大切に、1日に10 分でもいいので、こういった文章作りのトレーニングをぜひ重ねてみてください。私たちVector の教師は、毎日LEGO 方式で素早い文章作り・スピーキングを生徒に教えています。迷った時にはいつでもご相談くだ
さいね。

記事提供Vector Internaitonal Academy

筆者プロフィール:Mari Kato
University of British Columbia (UBC) 大学院教育学修士号取得(英語教授法)。大阪大学大学院言語文化学修士号取得。
カナダのカレッジで通訳翻訳コースを10 年間教えた後、「短期間で英語を話せるようにする学校」Vector International Academy を創立。Chief Instructor として教鞭を執る一方、バイリンガル司会業や通訳業、コラムニストとしても活躍。

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