⑧「 /ӕ/ の音」
先月号を読んでいただいた方は、英語を話す時に/ɑ/ の音に気をつけながら1ヵ月を過ごしておられたら嬉しいです。今日は引き続き「あ」のように聞こえてしまう5つの英語の音:その2をご紹介いたします。
それは/ӕ/ という音です。例えば「キャット」「ブラック」「マップ」そして「バンクーバー」にも入っている音なんですよ。この記号、よく見るとa とe がくっついた感じに見えますよね。そして音もまさにそんな感じ。アとエの間の音なのです。
とは言われても、実際どうやってその「間の音」を出していいものやら…ですよね。それでは今月も参りましょうー、
Vector 式発音講座:/ӕ/ の音!
まずは舌の位置を確認しましょう。先月練習していただいた/ɑ/ 音は、舌を一番下に落として喉の奥を開ける感じ、と書きましたが、そこからスタートしましょうか。今月の/ӕ/ 音は、そこからほんの少しだけ舌を上に上げたところに置いてください。それだけで少し平べったい感じの音になりませんか? それが今月練習したい/ӕ/ 音です。
では実際の発音演習です。一つひとつ丁寧に、舌の位置に気をつけながら発声してみましょうー。cat, black, map できましたか?
Vancouver という単語にも入っている音だと述べましたが、Vancouver には「あ」に聞こえる音が2つありますね。最初の「バ」と最後の方の「バ」。どちらがこの/ӕ/ 音かというと、一番最初の「バ」です。なので、まずは下唇を軽く噛み、噛んだまま息を吹き当てる感じで/v/ を発音したらすぐに、舌を先ほどの位置に戻して/ӕ/ と言います。/vӕ/, /vӕ/, /vӕ/…できましたでしょうか? せっかくバンクーバーにいらっしゃったので、ぜひこの都市名の正しい発音も覚えて帰っていただきたいです!
さて、発音演習の時にぜひやっていただきたいのが、1)「単語練習」、そして2)「文章練習」。cat ときれいに言えたところで、実際は単語で話すわけではないので、やはり文単位でこの音がきちんと出るかどうかを練習したいですよね。それではやってみましょう! 今月の/ӕ/ 音を盛り込んだ文章、いきますよー!
I add a black cat to my map of Stanley Park.
練習文なので、意味はあまり考えないでくださいね(笑)。
add, black, cat, map, Stanley の5回、/ӕ/音が出せましたでしょうか? ちなみに一番最後のpark は、先月号で練習した/ɑ/ 音なので、最後だけは舌の位置をぐんっと低くして、喉を開けて発音してみてください。
文単位になると、ある程度のスピードに乗せて、1 音1 音舌の位置や空気の出し方などを変えなければならないので、少し難しくなりますよね。けれどもスピーキングで生きる発音演習とはやはり、文章が言えるかどうかが鍵なんですよ。ピアノで言うと、一つひとつの鍵盤は押せるようになったけど、いざ曲になったら押し間違えてしまう、ではピアノが弾けるとは言えないですものね。私たちVector では、生徒さんがまさにスピーキングをしている時に、発音が正しく出ているか、1 音1 音チェックしてフィードバックを返しております。皆さんもぜひ、ご自分の音を録音して聞き返してみてくださいね。
記事提供:Vector Internaitonal Academy