今回は、関係代名詞についてです。実は、文法項目の中で日本人の皆さんが一番苦手とする分野だと言われていますが、会話や英作文の中でよく使う傾向にある項目です。
私の学校で生徒さんたちが、簡単に表現できるものを関係代名詞を使うので、カナダ人講師が私に「なぜ？」と聞いたことがあります。
これは私たち日本人の国民的特質といっていいかもしれません（笑）。
そもそも、関係代名詞は、会話というよりも新聞などで同じ文体を避けるために使われるもので、「読解力」を伸ばすのに必要な項目です。TOEIC で言えばパート７です。とはいっても、パート５でも出題されるので今回は取り上げてみます。
「美枝子は、美しい先生だ」（毎回このような例文ですみません）を英語にしてみると、
① Mieko is a beautiful teacher.
となります。これを関係代名詞を使うと、
②Mieko is a teacher who is beautiful.
となります。
①は形容詞のbeautiful が、一語で前から後ろの名詞a teacher を修飾していますが、②は関係代名詞のwho is beautiful のかたまりが、後ろから前の名詞 a teacher（文法用語では先行詞）を修飾しています。大切なことはただひとつ！ かたまりで形容詞の働きをするということです。また、who is beautiful. の部分のwhoだけを取り上げると、who は、Sheに書き換えることができます。「主語」の位置にあるので「主格」の関係代名詞とも呼びます。それでは、問題をみていきましょう。
1. David Kato is a well-known environmentalist and professor—— work has been published throughout the world.
(a) that (b) whom (c) who (d) whose
空欄の後に注目！ 先ほどの例文と違って、動詞がきていないのがポイントです。このwork は、名詞で す。名詞の前に持ってこられるのは、his work のように所有格です。代名詞he は、he（主格：彼は）→ him（目的格：彼に）→ his（所有格：彼の）と変化し、関係代名詞は、同じように who（主格）→ whom（目的格）→ whose（所有格）と変化します。
すなわち、his work と同じ所有格は、 whose work となります。正解は、(d) で、「加藤氏は、有名な環境保護主義者でありまた教授ですが、彼の書物は世界中で出版されている」という意味です。
● throughout （前置詞）
There are so many convenience stores in Canada.
across Canada.
throughout Canada.
コンビニは、カナダの至る所にあります。
2. Neither the lawyer nor his paralegal whom he worked —— was allowed to be at the meeting about the company bankruptcy.
(a) at (b) for (c) with (d) on
これは、前置詞の問題のように見えますが実は関係代名詞の問題です。
問題１の解説でも書いたように、関係代名詞からひとつのかたまりが、始まります。すなわちwhom he worked— となります。
前置詞は、基本的には名詞がパートナーになり、ひとつのかたまりができます。
例えば、前置詞at を使えば、at the store のようなかたまりができます。
同様にfor the customer, with the customer, on the table が一例として考えられます。
本題は、he worked with the lawyer ( his paralegal) となり、the lawyer, his paralegal を themと考えればHe worked with them. となります。この目的格のthem はwhom に書き換えられます。関係代名詞は、文頭に出るという性格をしているので、whom he worked withとなります。故に、正解は、(c) で、「彼が依頼した弁護士もパラリーガ ル（弁護士補助員）も会社の倒産に関する会議に出席することは許されなかった」という意味になります。 ● neither A nor B A もB も～ない
Neither John and Mary is at home.
ジョンもメアリーも家にいない。
● bankruptcy （名詞）倒産
