今回のコラムのテーマは、日本人が気をつけるべき「英語化のルール」です。単語を並べるサバイバル英語でも通じるけど、3つのルールを守って「誤解を生まない、理解できる」英文を作ることについてお伝えします。
単語だけ並べたサバイバル英語、実は会話相手に結構大きな負担をかけています。仕事仲間とか趣味の仲間など、お互いにある程度の文化的共通項がないと難しい技です。
共通項がないと、仲良く勘違い会話をしていた、なんてことにもなりかねません。
【気をつける3つの英語化のルール】
1.主語を明確にしよう(誰が、何がなど)
日本語では人が主語の場合は省略されがちです。物が主語の場合は省略しないので、日本人は「主語」
を明確にする文では、物を主語にする傾向があります。それが日本人の作る英文で、受け身が多くなってしまうことの原因の1つです。
2.主語+動詞+目的語(何に・を)の語順を守ろう。日本語にはこれといって決まった語順はありません。その一方英語ではいわゆる5文型が決まっています。順番を間違えると全く意味が異なる危険があります。
3.謝る前に感謝しよう 誰かが何かを自分のためにしてくれたり、気を使ってくれたりすると、とっさに「ごめん、ありがとう」や「わざわざすみません」という言葉が出てきませんか? それを英語に直訳して“I’m sorry”とついつい反射的に言うと、相手は困惑します。
例えば「Alibi Roomで昨日飲んだ」と話します。
日本語であれば、「誰が?」の部分は会話をしている本人で、有名なバーで飲んだことだと、当然のごとく察してくれるのが日本人同士の会話です。
「Alibi Room・昨日・飲んだ」を単語そのまま並べる=Alibi Room yesterday drink*
【ルール1】主語:私と友人=My friend and I動詞:飲んだ=drank*何を:お洒落なカクテル=fancy cocktailsどこで・いつ=at the Alibi Room yesterday**(場所や理由などの追加情報は最後につけます)
【ルール2】My friend and I drank fancy coctails at the Alibi Room yesterday.
* 文法上本来はdrank ですが、yesterday があれば昨日であることが分かるので、たとえdrinkを使っても誤解のもとにはなりません。会話であれば、時制は情報を足すことでカバーできます。
** at なのかin なのかなど、細かい前置詞は使っていくうちに覚えるので、間違えることを気にしすぎない!theなどの冠詞も同じです。基本的に数えられる名詞が1個の時には冠詞がつく、と覚えておくと便利です。
この流れで行えば、頭に浮かぶほとんどの日本語を、分かりやすい英語に変えることができます。
では3つのルールに沿って、日本語から英語にしてみましょう。
★例1★ 「お疲れ様!」
【準備】本当に何が言いたいのか、シンプルな日本語にする:お疲れ様⇒今日は一生懸命働いてくれてありがとう
【ルール1】 主語:私=I、動詞:感謝している=appreciate、何に:今日のあなたの一生懸命の仕事に=your hard work today
【ルール2】 I appreciate your hard work today.
【ルール3】 Thank you for your hard work today.
★例2★ (家に遊びに来てお土産にワインを持ってきてくれた友人に)「ごめんね、わざわざ。よかったのに」
【準備】 ごめんね⇒感謝する=ありがとう わざわざ=真意⇒ワインを持ってきてくれてよかったのに=(お土産を)持ってこなくてもよかった
【ルール1】
=ワインを持ってきてくれて for bringing the wine
=あなた(友人)がお土産を持ってこなくてもよかった You didn’t have to (bring anything)*
【ルール2+3】
= Thank you for bringing the wine. You didn’t have to.
*You didn’t have to だけでも、フレーズとして「よかったのに」の意味があります。
このルールには、英文構造は誰が何するという風に責任のありかを明確にするという、いかにも欧米の文化が反映されているなあと思いませんか?
また、ついつい謝ってしまう人は、ぜひできる限りThank youから始める会話を心掛けてください。ポジティブに始める会話は、ポジティブに広がります。
話しかけることに慣れたら、単語そのまま言うのではなく、一呼吸おいて、
誰が⇒する⇒何 を意識して分かりやすいシンプルな英文づくりにチャレンジしてくださいね!
Good Luck!