YANO Academy
日本語教師養成講座、カナダで日本語を教えてみませんか !
矢野アカデミーは1994 年に創立した小さな日本語学校です。主に日本人を対象にした『日本語教師養成講座』を行なっており、最近は外から見る日本語講座』なども始めました。今年で24 年目を迎え、卒業生は2,700 名を超えました。大部分の生徒は日本からのワーホリや留学生の方々です。
1ヵ月(8 回) の短いコースですが、日本語教育に必要な基礎知識は身に付けていただけるものと確信します。教わったことのない日本語を教えることは…、難しいですよね。
例えば、朝の挨拶「おはよう」を丁寧に言えば「おはようございます」ですが、昼の挨拶「こんにちは」は「こんにちはございます」とは言いません。でもどうしてダメですか、と質問されるとなかなか答えられません。「大きい車」と「大きな車」の違いは…、何となく違いは感じるけど、うまく説明できません。
言葉を教えることは「文化」を教えることと言っても過言ではありません。無意識に身に付いた日本語の文化を意識して外から眺めてみる、これは日本語を教える時にはとても大事なことです。まさに『目からうろこ』で、日本語の素晴らしさ、奥の深さも強く感じられますよ。また英語と日本語の違いを意識することは、英語の勉強にも大いに役立ちます。
多文化共生のバンクーバーで、母語である日本語を改めて外から眺めてみませんか。
日本語教師 から
「He gave her a present.」 と「He gave me a present」. この英語の文において「her」も「me」も、どちらも「give」 という同じ動詞です。これは英語に限らず、仏語、独語や中国語などはもちろん、他の世界中の言語もすべて同じ動詞を使うとのこと。でも、ある国の言語だけ、なぜか「her」と「me」で動詞が変わるという大変ややこしい、信じられない言語がこの地球上に1つだけあります。うーん、日本語ですね。確かに日本語は「彼は彼女にプレゼントをあげた」ですが、「彼は私にプレゼントをくれた」となり、「私に」になると「あげる」が「くれる」に変わります。
いわゆる『内と外』という日本独特の文化であり、こんなことは我々日本人にとっては当たり前ですが、学習者には確かに難しいのです。「彼女に」と「私に」で動詞が変わることなど、どこの国の人々も考えたことなどないのですから。そこで、この「あげる・もらう・くれる」の動詞を教える時は最初に「これは皆さんの国の文化にないことなのでとても大変です。ごめんなさいね」と謝ってから授業を始めている。この「くれる」は「謙譲の心」と絡んだ日本文化そのものであり、まさに日本的なすごい「動詞」です。ぜひ教えてみませんか。
学生 山本まみさん
カナダに移民して2年がたち、ずっと興味のあった教育分野で新しいキャリアをスタートさせてみたいという気持ちから、矢野アカデミーの門を叩きました。
日本語は思っていたよりも複雑で難しく、また概念としては理解できても、わかりやすく説明することができず、くじけそうになってしまう時もありました。ですが、矢野先生は一つひとつの文法項目を丁寧かつ端的に説明してくださるだけではなく、他言語と比較した場合、日本語の持つ文化的背景、学習者の視点、さらには教師としての心得など幅広い知識を交え、日本語教師の卵としての知の鎧を授けてくれます。ユーモアと情熱に溢れた矢野先生の指導のもと、やさしく楽しく日本語を教えられるようにもっと精進していきたいと思います。