「仮定法」と聞くだけで、「学生時代に習ったけれども難しかったなあ」と苦い思い出のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そもそも「仮定法」とは何でしょうか。文字通り「仮に~だったら、 ~なのに…」でも事実は、異なるということです。
それでは、求人条件 に「TOEIC のスコア800 点以上」と なっている会社に800 点がないため に志願できない気の毒な状況を使っ て、仮定法過去・過去完了の概念を まとめてみましょう。
1. 仮定法過去:現在の事実に反する
If I achieved 800 on the TOEIC, I could get the job.(800 点あるなら、 その仕事に就けるのに)
事実:現在、私は800 点持っていま せん。だからその仕事には就けない。
仮定法:もしも仮に(ここが仮定法 です!)800 点あるとすれば、その 仕事に就けるのに…。という現在の 苦境に立っているお話です。
2. 仮定法過去完了:過去の事実に反 する
If I had achieved 800 on the TOEIC, I could have gotten the job.(800 点 あったならば、その仕事に就けたのに)
事実:当時、私は800 点持っていなかった。だからその仕事には就けなかった。
仮定法:もしも仮に800 点あったとすれば、その仕事に就けていたのに…という昔の苦い思い出のお話です。
ポイントは、これだけ!
①主節の助動詞はいつも過去形…すなわちcould、would、might など
②「見かけで決めない!」パートナーを選ぶ時と同じです。
外見は、優しそうでも、実は内面はとても厳しい人のようなイメージを描いてください。
つまりこれを仮定法にあてはめると、
仮定法過去は、if で始まる文の中の動詞は、過去形ですが(これが先ほどの外見=見かけです)、話の内容は、現在の話(これが、人に例えた内面です)です。
仮定法過去完了は、if で始まる文の中は、文字通り過去完了を使います。話の内容は、過去のことを言及しています。
それでは、問題をやってみましょう。
1. If you —— your reservation 24 hours in advance, you will not be billed.
(a) cancel (b) cancelled (c) will cancel (d) cancellation
TOEIC で出題されるものは、この問題のようなパターンです。If で始まる文、すなわち条件文を受ける文(主節)の時制は、助動詞の現在形になっているのに注目してください。
あれあれ、今までの仮定法の説明(助動詞は過去形を使う)とは違うではないですか。そうなんです。
実は、仮定法の問題に見せかけた単なる条件文です。中学校で習った”If youturn right, you will fi nd the bank.”(右に曲がれば銀行が見えるでしょう)を思い出してください。
これと同じ考え方で、今回の問題も現在形の動詞を選びます。
よく間違えるパターンは、まだキャンセルはしておらず、これからするので未来形を選ぶ間違いです。
もし、未来形なのか現在形なのか迷った時は、人間関係のルールを思い出してください。「同じタイプの人よりも違ったタイプの人に魅かれる」主節は、you will not be billed とwill が使われているので、同じものは選ばないということです。
正解は、(a) で訳は、「前もって24時間前に予約をキャンセルしていただければ、請求はいたしません」
● bill(名詞)請求書=invoice
We settled the bill for the Christmas party.(クリスマスパーティーの請求の支払いをした。settle=pay は、「精算する」という日本語に訳されることも多いです。
(動詞)請求する= charge
Please bill the company for any business expenses.(仕事の経費は会社に請求してください)