パリならエッフェル塔、上海なら小龍包、オーストラリアならコアラにカンガルー。代表的な建造物や食べ物、生き物がパッと思い浮かぶところってありますよね。その点カナダは、赤いカエデの国旗こそよく認知されていますが、イメージしやすいものが日本に浸透していない感じで、旅行先としての存在感が薄い国。日本の大学生にカナダと聞いて連想するものを挙げてもらったら、「メープルシロップ、自然、寒い」しか出てこなかったとか…。最近こそイケメン首相Justin Trudeau の名が知られるようになりましたが、旅の動機付けになるものが話題にならないのは少々困りもの。そこで今回からは、カナダに来たら外せない観光スポットについてお話ししたいと思います。
まず知っておきたいのは、カナダは広大だということ。国土面積はロシアに次いで世界第2 位。日本がまるごと26 個もすっぽり入る大きさです。東西の大都市トロントとバンクーバーの直線距離は約3,400km で、札幌〜鹿児島間の2 倍以上も離れています。バンクーバーからナイアガラに日帰りで行きたいとのお問い合わせもいただきますが、早朝出発で飛行機に4 時間半乗って、時差が3 時間進んだトロントに降り立ち、そこからバスで2 時間走ったら午後遅くにやっとナイアガラ到着。滝を30 分ほど眺めて、すぐ引き返して飛行機に飛び乗れば、ギリギリその日のうちに帰れますが、北米大陸をまたぐような弾丸旅行は、旅行費用がもったいないので、やっぱりお薦めできません。限られた日数で旅行する場合、カナダ横断は移動にかかる時間とお金の無駄が大きいので、できれば東西に分けて行程を考えましょう。
西はバンクーバーを拠点にして、花の都ビクトリアや山岳リゾートのウィスラーを訪れるのがベスト。
ビクトリアは、時間がなければ日帰りでも仕方ありませんが、距離感覚としては、関東圏から京都に旅行するようなもの。東京駅で新幹線に飛び乗って金閣寺と清水寺を急いで見たらトンボ帰りするような駆け足旅行になります。世界的な名園ブッチャートガーデンだけでなく、ホエールウォッチングもできるし、夜景が美しく、美味しいレストランもたくさんある街なので、せめて1 泊はしたいですね。
ウィスラーは、ゴンドラで山上観光をしたり、ビレッジを歩いたりするだけでなく、夏はジップトレックやハイキング、冬はスキーやスノーシューイングも加えたいので、やはり泊りがけで行きたい観光地。設備の整ったリゾートホテルが多いので、ホテルライフもゆったり楽しみましょう。
カナダ西端のブリティッシュコロンビア州の内陸部には、ワインの名産地オカナガンがあります。南北約200km の渓谷に点在する190 以上のワイナリーから好みの場所を選んで巡り、生産者と語らいながら芳醇なワインを味わう。湖畔のリゾートで美しい風景にひたり、地元のオーガニック食材で作った料理を美味しく食べ、土地の歴史や文化、自然にも親しむ。オカナガンには、旅の魅力を全身で楽しめるワインツーリズムの要素がすべて揃っています。ホテルのお薦めは、350 万個のスワロフスキー・クリスタルが輝くスパークリングヒル・リゾート。各客室にオープンスタイルの深いバスタブがあり、青い空と青くきらめくオカナガン湖を眺めながら入る朝のお風呂が極上のひと時。
ワイナリーではミッションヒルが最も有名。英国デキャンタ国際ワインコンクールのピノ・ノワール部門で2013 年に最高賞を獲得! 世界61 の国や地域から厳選された1 万4 千本の頂点に立つ快挙でした。他にも小規模ながらとても個性的なワインを誇るワイナリーばかりで、毎回どこを訪ねようかとルートを考えるのが楽しみです。道路が整っているので、レンタカーでドライブもできますが、運転手は飲めないのが残念なので、ツアーを上手に利用するのがオカナガンを満喫するコツです。