カナダをもっと楽しもう! (2)

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カナダ観光の目玉といえばカナディアンロッキー1883 年(明治16 年)、日本では鹿鳴館が開館し、西欧諸国に追いつけ追い越せと頑張っていた頃、アルバータ州バンフではカナダ太平洋鉄道の作業員が洞窟に温泉を発見。温泉宿を経営しようとして土地の所有権争いになりましたが、1885 年に連邦政府がバンフ周辺を保護地にすると裁定したことから、カナダ初の国立公園になりました。世界では米国イエローストーン国立公園とオーストラリアの王立国立公園に次いで3 番目です。その100 年後の1985 年には、バンフ国立公園を含む一帯がカナディアンロッキー山脈自然公園群として世界遺産に登録されました。
 マウンテンリゾートとしてはスイス・アルプスとよく比較されますが、カナディアンロッキーの面積はその約4.4 倍。南北1,450km に長く伸びる山岳地域で、北半分はブリティッシュコロンビア州北部に属し、観光の中心となるのはアルバータ州にある南半分です。アルバータ州最大の街カルガリーに飛行機で到着したら、州道201 号線を経由して国道1 号線に入り、2002 年の主要国首脳会議で小泉元首相が訪れたリゾートタウンのカナナスキスや、新たな観光拠点として注目されるキャンモアの横を通り過ぎ、約2 時間でカナディアンロッキー観光の中心地バンフに到着。真夏でも雪をいただく山々が目前に次々と迫りくる印象的なドライブです。 

 平均標高1,500m のバンフは、長野県の上高地のような高原の町。通りには新旧様々なホテルが45 軒ほど立ち並んでいます。町がすっぽり国立公園の中にあるので、土地開発がこれ以上できず、春から秋の観光シーズン、冬のスキーシーズンを通して、1年中空室不足。なので、カナディアンロッキーに行こう!と決めたら、最初にするべきはホテルの確保です。最近のホテル料金は変動制で、満室に近くなればなるほど高くなる仕組み。通常は夏に1室250 ドルくらいで泊まれるホテルでも、直近になると倍以上に値上がりします。特に週末はどうしても高くなるので、宿泊費を抑えたいなら月〜木曜の週日に旅行すること。それでも、できるだけ早めに予約するのが一番の節約方法です。

 観光は、バンフから出発して、ロッキーの宝石と称されるレイクルイーズや、湖沿いの山の姿が印象的なボウ湖、真っ青な水をたたえたペイトー湖などに立ち寄り、コロンビア大氷原の雪上車、ガラスの展望台グレーシャースカイウォークを体験する11時間コースが一般的。カナダ紙幣に描かれたことがあるモレーン湖の高峰テンピークスや、先住民族の言葉で「壮大」を意味するタカカウ滝の眺めが楽しめるヨーホー国立公園のツアーも魅力的です。カナディアンロッキーの日本人ガイドは大変優秀。その時期の見所をきっちり押さえたご案内で、旅がとても思い出深くなるので、経費的に他を削っても、ハイキングや観光部分だけは日本語のツアーが絶対お薦めです。

 旅行時期は、旅行会社のパンフレットにあるような青い湖が見たいなら、6 月中旬〜9 月中旬。ゴールデンウィークの4 月下旬〜5 月上旬では早すぎて、正直言ってまだ真冬の景色です。また9 月下旬になると山では雪が降り始めるので、ハイキングがしたいなら真夏の7 〜8 月が適期。寒いと敬遠されがちな真冬の12 〜3 月ですが、真っ青な空に真っ白な山々が神々しいまでに美しく、気温が氷点下10℃以下になれば、小さな氷の結晶が空からキラキラと降り注ぐダイヤモンドダスト現象も見られます。

冬はホテルが比較的安いので、憧れの5つ星高級リゾートに泊まって、温水プールやスパでリラックスしながら、ホテルライフをラグジュアリーに楽しむのもいい

ですね。スキーやスノーボードがしたいなら、オリンピック強化合宿も行われる世界有数のスキー場レイクルイーズや、夜は満天の星空が楽しめるスキーリゾート、サンシャイン・スキー場が一押しです。


石川まりこ

石川 まりこ:兵庫県神戸市出身。日本で海外旅行専門添乗員として約 50 ヵ国を案内、その後、カバン専 門商社のビジネスコーディネーターとしてフランスとトルコに駐在。 1992 年 3 月、カナダに移民。現在はツアープランナー、ツアーガイド、トラベルライター、フリーランス 翻訳者として幅広く活躍。2013 年エイチアイエス・ワールドベストガイド賞受賞。 Twitter や Facebook で、美味しいバンクーバーや知ってるようで知らないカナダ、この地で暮らして感じたこと見知ったことをポジティブに情報発信する。現在、ARA Professional Travel & Support Inc. 勤務。 ツイッター:twitter.com/Natulive_Canada

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