カナダ東部で一番の観光地といえば、ナイアガラ大瀑布。カーテンのようなアメリカ滝と馬蹄形のカナダ滝の落差は約51 メートルで、東京ディズニーランドのシンデレラ城とほぼ同じ高さ。カナダ滝の水量は最大毎分16 万8 千立方メートルで、1 分間に小学校のプール560 杯分の水が落ちている計算になります。
テーブルロック展望台でその圧倒的な水量を実感し、遊覧船ホーンブローワーでシャワーのような水しぶきを浴びながら見上げ、滝の裏側観光ジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズで振動と轟音の中に立ち、ヘリコプターで上空から滝の流域を眺めて、多角的かつ立体的に観光するのがナイアガラの正しい楽しみ方。
カナダ最大の都市トロントはニューヨークと比較されることの多い大都会。トロントの弁護士は三つ揃いのスーツにアタッシュケースで会議室ミーティング、バンクーバーの弁護士はT シャツとズダボロのジーンズにスタバカップ持参でビーチミーティングと例えられるくらい、同じカナダでも街の雰囲気が全然違います。2007 年まで世界一の高さを誇ったCN タワーの展望台、蒸留所跡のレンガの建物を再利用して町おこしをしたディスティラリー地区、国際都市の豊かな食文化が体験できるセントローレンス・マーケット、ナイアガラの滝の水力発電で莫大な富を得た大富豪の屋敷カサ・ロマなどが必見スポット。
首都オタワは、トロントのような大都会ではなく、小さいながらも程良くまとまり落ち着いた街。整然としていて安全なので、女子の一人旅には特にお薦めです。カナダ連邦政府の国会議事堂は無料のガイド付きツアーで一般公開され、シンボルの時計台ピースタワーにも昇れます。国立美術館や戦争博物館、2017年7 月に生まれ変わるカナダ歴史博物館も外せない見所。各国大使館や行政官庁の高級官僚が集まる街なので、レストランの洗練度が高くて、どこも美味しいのが嬉しいポイント。建国150 周年を迎える来年の7 月1 日カナダデーには、英国王室からウィリアム王子ファミリーがオタワの記念式典に出席します。年明けから様々な行事が予定されているので、来年の東カナダ旅行には必ずオタワを入れてくださいね。
ケベックはカナダ第2の面積を誇る広大な州。400年以上前に入植したフランス系移民の子孫が多く、州の公用語は仏語。世界都市遺産の州都ケベックシティは、街がまるごと歴史村。いにしえの血統、伝統、誇りが至るところに感じられ、旅情豊かな町歩きが楽しめます。お泊まりは女子修道院をモダンに改装した旧市街のホテルがお薦め。清廉で静謐な空気が流れ、
忙しくなりがちな旅の心を整えてくれます。無料サービスの朝食がオーガニックで手作りなのも嬉しいですね。北米で唯一、街の真ん中にぽっこりと山がある大都会モントリオールは、商業の中心地で美食の都。石畳の旧市街やいつも賑やかな新市街、かわいい街並みの住宅地に郊外の市場など広範囲に移動しながら観光するので、交通至便なエリアのホテルを選ぶのがコツ。
小説『赤毛のアン』で有名なプリンスエドワード・アイランド州(PEI)は、カナダ東端のセント・ローレンス湾に浮かぶ島ですが、面積は東京都の3 倍ほどあります。真っ青な空に白い雲が浮かび、どこまでも青い海には真っ白な灯台が映え、赤土の海岸線に緑の田園がなだらかに続く景色は、色のコントラストが素晴らしく印象的。一度訪れたら、この美しい風景がその先もずっと思い出の地になります。島の観光は『赤毛のアン』にちなんだものが一般的ですが、新鮮なロブスターやムール貝、肥沃な赤土で育てられた旨みの濃いジャガイモ、島特産のベリーで手作りしたジャムやティー、濃厚なミルクを活かしたとびきり美味しいアイスクリームなどなど、島グルメを巡る旅も最高です。お泊まりは朝食と宿をセットにしたベッド・アンド・ブレックファスト(B&B)がお薦め。平均5 〜6 室の個人経営の民宿がほとんどで、温かく迎えてくれる島の人々との触れ合いも魅力。おだやかな島の風を感じながらのんびり散策するだけで、せわしい日常でカサカサになった心がゆっくりとリセットされていきます。